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イベントレポート

「『バイオ戦略』が目指す東西バイオコミュニティvol.2 ~関東圏で活性化するバイオコミュニティ~」を開催(10/1)

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2021年10月1日(金)に「『バイオ戦略』が目指す東西バイオコミュニティvol.2 ~関東圏で活性化するバイオコミュニティ~」をオンラインにて開催しました。

バイオ戦略にて、バイオコミュニティが注目されています。かねて関西ではコミュニティの構築に取り組んでおり、関東でも近年、複数のコミュニティが形成されています。LINK-Jでは、「バイオコミュニティ」にスポットを当てたイベントを企画し、第一弾では「バイオコミュニティが深化する関西 ・大阪エリアの取り組み」をメインテーマとし、今回の第二弾では「新しいバイオコミュニティをつくる東日本エリアにおける取り組み」を紹介いたしました。

登壇者
塚本 芳昭氏 (一般財団法人バイオインダストリー協会 専務理事)
野村 龍太氏 (公益財団法人実験動物中央研究所 理事長)
野口 匡則氏 (Twist Bioscience ジャパンカントリー シニアセールスマネージャ)
西山 博之氏 (国立大学法人筑波大学 医学医療系 腎泌尿器外科 教授、つくばデジタルバイオ国際拠点 プロジェクトリーダー)
土井 俊彦氏 (国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 副院長(研究担当) 先端医療科長)
池浦 義典氏 (Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 CEO兼CSO)
曽山 明彦(一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン常務理事、厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議構成員、東北大学客員特任教授)
三枝 寛氏 (三井不動産株式会社ライフサイエンス・イノベーション推進部長、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン事務局長)

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オープニングは、LINK-J常務理事曽山より、主催を代表して本イベントの位置づけやLINK-Jの現状などを含め挨拶いたしました。

Greater Tokyo Biocommunityで何を目指すか
- 本格的なエコシステム形成に向けて、Greater Tokyo Biocommunityの戦略 -

塚本 芳昭氏 (一般財団法人バイオインダストリー協会 専務理事)

まず塚本様から、「 GTB構想: Greater Tokyo Biocommunity」について、成り立ちから今後のスケジュールまでの全体像をお話いただきました。
さらに今後の具体的な活動イメージ、さらにはGTBコミュニティで実現したいこととして「発明・発見(シーズの創出)から事業化・生産までの流れをシームレスにつなげる。コミュニティを触媒として、各主体の有機的な連携を強化する。」という点を述べられました。
また協議会の組織体系として産業界、大学研究機関、自治体、関係機関、金融・投資機関など幅広い委員の方々で構成されており、GTBコミュニティで目指すべき姿に必要なそれぞれの役割も説明しました。

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都心近郊エリアでのライフサイエンス・イノベーション~三井不動産・LINK-Jの取りくみ~
三枝 寛 (三井不動産株式会社ライフサイエンス・イノベーション推進部長、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン事務局長)

三枝より、LINK-Jおよび三井不動産の取り組みとして、事業の骨子や目的について説明しました。特に、ラボ施設の紹介として、三井リンクラボとして、葛西、新木場1に続き、第二弾として新木場エリアでの新しい建設を予定していることや、柏の葉でのシーズ近接型賃貸ラボ&オフィスについても述べました。その中でも三井リンクラボ新木場1について、詳細な概要また主な入居テナントの紹介を行いました。
「今後もオープンイノベーションにおける場の提供を行ってまいりたい」と話を締めくくりました。

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殿町キングスカイフロントの強みと将来
野村 龍太氏 (公益財団法人実験動物中央研究所 理事長)

野村氏からは、まず殿町キングスカイフロントの概要として2011年から現在まで成り立ちからを述べられました。また10年が経過し、70の拠点が集い、地の利を活かし、また顔の見える関係、そして県や市の主導的サポートある点、公的研究所の協力が可能などの強みを紹介しました。またGTBには大きな視点・発想で個別参画機関・地域の役割を鮮明にすることを期待し、殿町キングスカイフロントは国の大きな戦略の一翼を担いたいと将来の展望と課題とともにお話いただきました。

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Writing the Future with Twist Bioscience
バイオエコノミー社会実現に向けたハイスループットDNA合成(合成生物学)のチャレンジ

野口 匡則氏 (Twist Bioscience ジャパンカントリー シニアセールスマネージャ)

Twist Bioscience社は、独自の半導体ベースの合成DNA製造プロセスを利用して、ゼロからDNAを合成しています。 DNAを「書き込む」このプロセスは、ハイスループットシリコンプラットフォームを特徴とし、DNAをベースにした多様な製品を製造し、ソリューションを提供しています。
野口氏はバイオエコノミー社会に貢献するため、今後もさらなるイノベーションを継続的に起こし続けること、またコミュニティや人との連携、支援していただく機関とのパートナーシップの必要性について述べられ、横浜市のスタートアップを支えるLIP横浜の紹介もしていただきました。

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つくばデジタルバイオ国際拠点における産官学連携活動
西山 博之氏 (国立大学法人筑波大学 医学医療系 腎泌尿器外科 教授、つくばデジタルバイオ国際拠点 プロジェクトリーダー)

西山先生からはまず「つくばデジタルバイオ国際拠点プロジェクト」の概要をお話いただきました。つくば地区に蓄積しているバイオリソースに加え今までデジタル化されていなかった診療情報、環境保健、動物、農作物などの情報も付加しデジタル技術で解析し、それを社会に届ける仕組み作り、また医・食・環境の3つの領域を融合させる形でつくば地区を活性化していきたいと述べられました。課題として、アカデミアの立場では上記のバイオリソースをどのようにスタートアップ企業、共同研究やライセンシングに繋げて産業化していくかがポイントであり、その過程においてぜひGTBと連携していきたいとお話されました。最後にプロジェクトのコアはバイオをデジタル技術で融合させるコンソーシアムを作り、これをハブとしながら、多くの研究機関がリンクをすることである。また多くの企業も集まるGTBでさらにこのプロジェクトを発展させ国際化を目指したいと、述べられました。

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バイオインダストリにおける柏キャンパスのアドバンテージ
土井 俊彦氏 (国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 副院長(研究担当) 先端医療科長)

土井先生からまず「国立がん研究センター東病院」の概要をお話いただきました。その後、再生細胞医療でのビジネスモデルの難しさについて触れられ、集約して数をこなすことをしなければ、治験施設採算が合わない点、またスピード感をもって開発しなければすぐに時代遅れになる難しさをお話されました。その一例として「光免疫治療」をあげられました。また東病院内の「先端医療科」の特色として、各臓器診療科の専門医師で構成された"臓器横断的なチーム"であり、どのような患者さんが来られても、チームで対応できる組織作りをされています。東病院を中心とした柏の葉全体の取り組みや、スタートアップ支援室「NCC Venture Incubation Program」についても紹介いただきました。
再生医療のサプライチェーンは進んでいるが、出口である病院の機能である診療科の枠を超えた柔軟な診療体制などを整備する必要性、またそれを行わなければ、日本国内では最終的な品目を出すことが難しく、その体制作りを行っていることを述べられました。
最後につばめの雛のスライドとともに、「皆さんが作り上げている素晴らしいがんのシーズを口を開けて待っておりますので、ご相談があればぜひお問合せください。」と話を締めくくられました。

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日本の創薬基盤および創薬イノベーションへの貢献 ~ 日本発創薬ソリューションプロバイダーとして
池浦 義典氏 (Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 CEO兼CSO)

Axcelead社は、2017年に武田薬品工業株式会社の創薬プラットフォームを継承して事業を開始した、日本初の創薬ソリューションプロバイダーです。まず池浦氏からAxcelead社の概要についてお話いただきました。また新しいモダリティにあわせて行っている4つの取り組み、ペプチド創薬、核酸医薬、再生医療・細胞治療、経皮吸収ドラッグデリバリーについて紹介されました。またAxcelead社のMissionである「創薬に携わる人々に寄り添うベストパートナーとして、 画期的な医薬品の創出に貢献する」の具体例として、製薬企業、ベンチャー企業とのコラボレーション事例を述べられました。 最後に、Axcelead社が創薬プレーヤーのハブとなり、プレコンセンターの中核としてオープンイノベーションプラットフォームを構築、イノベーションの創出・創薬エコシステムの発展に貢献したいと話を締めくくりました。

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パネルディスカッション

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続いて塚本様をモデレーターとして、登壇者全員によるパネルディスカッションを行いました。「東京圏のバイオコミュニティは何を目標とするか」「どのような手段とするか」などの議論に加え、視聴者からのご質問にお答えしました。

イベントにご参加の皆様、ご登壇者の皆様、誠にありがとうございました。 なお、今回のWebinar詳細については、LINKJのYouTubeチャンネル にて録画をご視聴いただけますので、是非ご覧ください。

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