日本の医薬品開発においても、革新的新薬の創出にむけてオープンイノベーションの必要 性が認識されて久しいですが、欧米や中国と比較して、制度、人材、資金いずれにおいても さまざまな課題があり、エコシステムとして十分に機能しているとは言い難い現状がありま す。この問題は、特にCOVID-19パンデミック時において経験した通り、日本発のワクチンや 治療薬の開発・実用化に遅れが生じることとなりました。革新的新薬がアカデミアやベンチ ャーから創出されることも少なくない現在、日本が新薬創出国であり続けるためには、アカ デミア・ベンチャーをはじめとする様々なプレーヤー・ステークホルダーと機能的な連携を 促進する創薬エコシステムの構築が急務となっています。政府は、「経済財政運営と改革の 基本方針2022」において、創薬力の強化によって科学技術力を高めるとともに、本年を「ス タートアップ創出元年」とし、オープンイノベーションの鍵となるスタートアップへの強力な支 援を実行していくことを宣言しています。
そこで、DIAオープンイノベーションシンポジウムでは、日本の医療用医薬品の研究開発にお けるオープンイノベーションに関するさまざまな課題を順次取り上げ議論していきたいと考 えています。第1回シンポジウムでは、日本が新薬創出国であり続けるために、オープンイノ ベーションの観点から我々が何を実践すべきか産・学・官の立場からの提言と共に、講師の 先生方と参加者の皆様の間で双方向の活発なディスカッションを設けて対話を深めたいと 考えています。
また、今回は現地とWebとのハイブリッド開催を予定しており、遠方の方も参加しやすい形 式となっております。オープンイノベーションに関連する業務に携わる方、オープンイノベー ションに興味のある方、更に製薬企業等で創薬やアカデミアとの連携に関連する業務に携 わっておられる方など、一人でも多くの皆様のご参加をお待ちしています。
プログラム
DIA Japan
長谷川 畔
DIA Open Innovation プログラム委員長/ 慶應義塾大学病院
大村 光代
13:40 - 15:40 第1部:アカデミア創薬の成功例
座長
日本医科大学
松山 琴音
(1) コロナ経口治療薬 ゾコーバ®
プロテアーゼ阻害薬エンシトレルビルによるSARS-CoV-2抑制機構の解析
北海道大学 人獣共通感染症国際共同研究所、ワクチン研究開発拠点
澤 洋文
コロナウイルス薬の研究開発(アカデミアとの共同研究の重要性について)
塩野義製薬株式会社
佐藤 彰彦
(2) 内転型痙攣性発声障害用医療機器 チタンブリッジ
新規医療技術と発声障害治療器具「チタンブリッジ」の実用化研究
名古屋市立大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
讃岐 徹治
会社使命-”必要なのに顧みられない医薬品の提供”-から“医薬品・医療機器”への変革
ノーベルファーマ株式会社
島崎 茂樹
15:40 - 15:50 ブレイク
15:50 - 16:30 第2部:最新のアカデミアによる薬事承認の事例
座長
日本医科大学
松山 琴音
山梨大学
岩崎 甫
16:30 - 17:10 第3部:パネルディスカッション
座長
山梨大学
岩崎 甫
ノーベルファーマ株式会社
島崎 茂樹
第1部、第2部登壇者、ならびに
独立行政法人 医薬品医療機総合機構
河野 典厚
17:10 - 17:30 Open Innovationコミュニティ 今後の展開・閉会挨拶
DIA Open Innovation Community Lead / BeiGene Japan合同会社
永岡 真
参加費
会員一般:早期割引(11/28まで)15,950円、11/29以降 17,600円 会員アカデミア、政府関係者:早期割引(11/28まで)7,480円、11/29以降 8,250円 非会員一般:22,550円、非会員アカデミア:9,900円、非会員政府関係者:13,750円