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イベントレポート

第25回 LINK-J ネットワーキング・ナイト「ここまできた 再生・細胞医療 今後の実用化加速に向けて」を開催(12/13)

12月13日、日本橋ライフサイエンスビルディングにて、第25回目となるLINK-Jネットワーキング・ナイト「ここまできた 再生・細胞医療 今後の実用化加速に向けて」を開催しました。本イベントは、日立アプライアンス株式会社による、施設見学ツアーも同時開催いたしました。

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「再生医療技術支援施設(CPC)」見学ツアーでは、概要説明を行った後、実際にクリーンルーム内・機械室を見学。当施設設置機器については協創会社様より直接ご説明いただきました。1回の見学時間を20分間とし、60名を超える多くの見学者様にご参加いただきました。

ネットワーキング・ナイトでは、企業、ベンチャー、VCの各々の立場から、再生・細胞医療の課題、実用化の加速に向けた取り組みについて、議論頂きました。

【登壇者】
小清水右一 氏(第一三共株式会社 細胞治療研究所 所長)
牧田直大 氏(株式会社マイオリッジ 代表取締役)
大友純 氏(株式会社日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 主管技師)

【モデレーター】
伊藤毅 氏(Beyond Next Ventures株式会社 代表取締役)
盛島真由 氏(Beyond Next Ventures株式会社 マネージャー)

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LINK-J曽山から概要および開会挨拶を行い、LINK-Jサポーターでありモデレーターの伊藤氏より、Beyond Next Venturesの取り組みについてご紹介いただきました。
同社は、大学や大企業まで、技術シーズからの事業化、およびベンチャー投資に関する経験を有しています。中でも、医療・ヘルスケア関連のスタートアップを積極的に支援しており、事業化支援プログラム「BRAVE」や、創薬系ベンチャー育成プログラムである「Blockbuster TOKYO」を実施しています。BRAVEに関しては、2016年からの開始以来、採択件数が増加しており、過去5回の開催でのべ135名が参加、5名の創業者を輩出しています。また、日本橋ライフサイエンスビルディングの地下1階に東京都心で初のシェアラボ施設「Beyond BioLAB TOKYO」を開設し、ラボ周りの起業家、研究者、投資家などを集積し、事業を加速していきたいとしました。

細胞治療医薬品開発の現状

小清水氏は製薬企業の立場から、再生医療等製品の基本定義や多様性、国内外の開発状況についてご解説いただきました。

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再生・細胞医薬品の承認・上市件数は欧州、韓国、米国の順で多く、日本は現在5件に留まっています。一方、開発品数は、米国、欧州、日本の順で多くなっていますが、Phase2以降に入っているものは少なく、多くが癌領域を対象としており、また、殆どが自家細胞を用いたものであり、日本における当該領域の研究開発の、より一層の成長・発展が必要と述べられました。第一三共では、現在複数の再生医療等製品の研究開発を行っており、①2017年1月にKite社(現・Gilead社)から導入したCAR-T製品、②2016年5月にCell Therapy社(現・Celixir社)から導入した体性幹細胞製品、③大阪大学発のiPS細胞由来心筋シート(クオリプス社と共同開発)に関して治験実施に向けた活動を進めていることをご説明頂きました。

研究開発において多くの課題がある中で、その1つとして、医療現場から医療現場へ細胞を届けるための、細胞・再生医療に特化したバリューチェーンの整備構築が不可欠であることを強調されました。

iPS細胞由来心筋細胞を用いた再生医療・細胞創薬

牧田氏よりマイオリッジ社の事業およびiPS細胞由来の細胞を用いた医療の課題について、ご講演いただきました。

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同社では、iPS細胞から分化した心筋細胞を用いた治療技術の開発を進められています。1週間で通常の100倍となる心筋細胞を生産する技術を開発され、プロテインフリー心筋分化誘導法といった方法により、培養液のコストを100分の1にまで削減。iPS細胞由来心筋細胞を用いた医療の課題である①費用、②安全性、③生産性について、マイオリッジ社のコア技術を用いることで、解決が可能であることを示されました。
また、創薬分野への応用として、動物試験の前に本製品を使うことで、ヒト細胞での試験で副作用を検出することができることも示されました。牧田氏は、創薬・再生医療の周辺技術に関して多くの事業会社と共同で研究開発を進めることにより、広がりを持ったアライアンスを構築していきたいと述べられました。

ここまで来た!最先端の細胞培養加工施設

大友氏より日立グループの再生医療分野への取り組み、および日立アプライアンス(株)による再生医療技術支援施設のご紹介を頂きました。

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日立グループの再生医療分野でのサービスは、トータルバリューチェーンをOne Hitachiで提供。CPC(細胞培養加工施設)をはじめ、生産・自動培養装置など装置の研究開発から、iPS細胞技術、臨床検査装置や診断装置、ITシステムまで事業を展開しています。iPS細胞をいかに普及させるかという点で、産業競争力懇談会(COCN)2018推進テーマを掲げられ、細胞バンクの整備によって、製薬会社様などへの提供を進めていきたいとしました。
日本橋にオープンしたCPC施設については、「国内最先端技術が凝集した協創できるオープンラボ」をコンセプトとして、単にラボを見せるだけでなく、他社とのコラボレーションしながら、お客様にとって快適な施設作りためのショールームであると紹介されました。この施設の特長として、「世界基準の殺菌・除去技術の導入」「自動で無菌化できるセントラル方式」「他社の装置を入れながら最適な施設をつくる」ということを挙げられました。個別に相談いただければ、見学は可能で、今後の再生医療分野、細胞治療の拡大を目指していきたいとしました。

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、盛島氏がモデレーターを務められました。盛島氏から登壇者に対し、講演内容へのより詳しい質問が投げかけられ、会場からも幅広い質問が挙がりました。

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Q:エコシステムの話の中で米国型が良いというお話がありましたが、日本は大企業主導型なのかという気もします。その場合、大企業の持っている資金の内部留保についてどのようにイノベーティブな部分に使っていくのか、ご意見ください。

伊藤氏:日本と米国を比べると、起業家やスタートアップの数も少ないですので、いかに増やしていくかということを考えています。私たちの投資資金も大企業からお預かりしているものもありますが、VCファンドへの投資家を増やすべきだと思います。また民間のVCの数を増やして、リスクマネーを出す人を増やすことが大事だと考えています。

Q:米国のベンチャーにあって、日本のベンチャーにないもの。もしくはその逆について教えてください。

小清水氏:成功事例だと思います。日本でもようやくいくつか成功事例が出てきています。

伊藤氏:ここ数年、テクノロジー系のスタートアップ企業への期待感が高まっています。感じるところとしては、事業の担い手についてです。米国でサイクルがうまく回っていますが、日本にはないので、大企業の中の人がスタートアップの担い手になっていけば、より成功事例も出てくると考えています。

Q:再生医療技術のブレイクダウンについてお伺いします。メディカル分野だけでなく、化粧品などの実生活に関わる部分の産業について、意気込み等教えてください。

伊藤氏:再生医療技術を用いて、人工肉を供給しようとしているベンチャーがあります。そこでは、化粧品の原料をつくろうという構想もあります。


講演後は、10階コミュニケーションラウンジにてネットワーキングが行われました。

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当日は94名の方に、ご参加いただきました。参加者からは、「製薬企業、ベンチャー、周辺産業と広くスピーカーを一堂に会して情報交換できる機会は非常に役立った」「第一三共と日立の取組み、ベンチャーのマイオリッジの取組みの違いが良くわかり、興味深かった」「日立アプライアンスの見学との組み合わせが絶妙だった」「短い時間によくまとまっており勉強になった」など多数ご意見を頂きました。

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