ブータンでは、山岳部における基礎医療へのアクセスの難しさと、非感染性疾患の増加や高齢化の進行が並存し、医療費の政府財政負担の増加が懸念されており、ブータン政府は予防重視への転換を含め、保健医療課題へのアプローチを抜本的に見直しています。特に、医療機関の診療・画像・検査データなどを収載するEMR(Electronic Medical Record)を管理するメディカルバンク、個人の健康に関わるPHR(Personal Health Record)を管理するヘルスバンク、DNA、血液、細胞組織などの生体試料とゲノム情報等を管理するバイオバンク、居住・住宅状況、世帯収入・支出などの健康の社会的決定要因に関するデータを管理するハウスホールドバンクの4つのデータバンクを、国民IDを介して統合的に管理する「デジタルヘルスプラットフォーム」の構築を目指しており、この利活用を通じて、国民の健康増進やより良い保健医療施策の実現に加え、医療・ヘルスケア関連産業の育成、海外からの投融資等による新産業振興及び就業機会創出も志向しています。
先進国を中心に、世界中に様々なバイオバンクがある中で、開発途上国発のバイオバンクは誰にどのような価値をもたらすのでしょうか。Gross National Happiness(GNH、国民総幸福)を中心とした国づくりや、独自の豊かな自然環境・生態系で知られるブータンが目指すライフサイエンス発展の道筋とそこに対する世界の関わり方について、日本とブータンの産官学関係者が議論します。
※本セミナーに合わせて、ブータンから保健省、産業・商業・雇用省、デジタル統括機関、国立中央病院、王立疾病管理センター、王立医科大学、国立生物多様性センター、民間企業関係者が来日します。
詳細は公式サイトをご覧ください。
申込締切
参加申込フォームより、9/1(日)までにお申し込みください。
Zoom参加の方は、後日、E-mailにて参加URLをお送りいたします。
プログラム
時間 | 内容 |
14:00~14:05 | ご挨拶 独立行政法人国際協力機構 吉田 友哉 |
14:05~14:20 | なぜ、ブータンでバイオバンクか? 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 長谷川 裕 |
14:20~14:40 | デジタルヘルスプラットフォーム構想とバイオバンク ブータン国 デジタル統括機関 Tashi Choden |
14:40~14:55 | ヘルスケアビッグデータを市民一人ひとりの価値へ 株式会社ちとせ研究所 原田 大士朗 |
14:55~15:30 | パネルディスカッション①「これから立ち上げるブータンバイオバンク成功の道筋-独自の価値提案と課題対応-」 ブータン国 デジタル統括機関 Tashi Choden ブータン国 国立中央病院 Birendra Pradhan 一般社団法人日本生物資源産業利用協議会 池田 純子 東北大学東北メディカル・メガバンク機構 長神 風二 |
15:30~16:00 | パネルディスカッション②「ブータンの保健医療課題解決と産業振興のためのビジネス連携」 Druk Holding Investments Ltd. Pema Rinchhen Wangchug 株式会社新日本科学 髙梨 健 独立行政法人国際協力機構 吉田 友哉 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 長谷川 裕 |
16:00 | 閉会、ネットワーキング(会場のみ) |
※内容や登壇者、時間に関しては当日変更となる可能性があります。
主催
主催: 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(MURC)、東北大学東北メディカル・メガバンク機構
協力:一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)
後援:独立行政法人国際協力機構(JICA)