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イベントレポート

「バイオインフォマティクス人材の最新潮流~ L×T bridge ニューフロンティア 編 vol.5」を開催(9/13)

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2021年913日(月)にオンラインにて「バイオインフォマティクス人材の最新潮流~ L×T bridge ニューフロンティア 編 vol.5」を開催いたしました。(主催:LINK-J
本イベントは、バイオインフォマティクス領域における人材育成や供給を担う大学、若手人材等本人たち、そして人材活用や登用を担う企業というそれぞれの立場から、人材不足の背景にある問題や課題を浮き彫りにし、最適な人材育成・活用・登用戦略をディスカッションしました。

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【登壇者】

岩崎 渉 氏(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 教授
日本バイオインフォマティクス学会 理事・幹事
International Society for Computational Biology, Board of Directors
内閣府 日本学術会議 若手アカデミー 代表
株式会社tayo 社外顧問)

熊谷 洋平 氏(株式会社tayo 代表取締役)

犬島 大介 氏(武田薬品工業株式会社、Talent Acquisition Lead, R&D HR Japan

板谷 琴音 氏(理化学研究所 生命機能科学研究センター リサーチ・アソシエイト
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 後期博士課程
生命情報科学若手の会 代表
株式会社tayo パートタイム・エンジニア)

LINK-J常務理事 曽山 明彦 (厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議構成員、東北大学客員特任教授)

【アーカイブ動画】

下記のリンクにてご登録いただいた方は当日の録画をご覧いただけます。

URL: https://peatix.com/event/3036532

公開期限:2022313()

バイオインフォマティクス人材育成の現状と課題

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はじめに東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 教授 岩崎渉氏より「バイオインフォマティクス人材育成の現状と課題」としてご講演いただきました。
バイオインフォマティクスとは、生物学(バイオ)と情報学(インフォマティクス)が融合した分野で、現代の生物学では、いかに「ビッグデータ」を活用するかが鍵になっています。東京大学でも、バイオインフォマティクスの教育や研究に早い段階から力を入れて進めてきました。現在ではゲノム解析にかかるコストが大幅に低下しただけでなく、タンパク質の立体構造予測も驚異的に正確になってきています。またバイオインフォマティクス関連の論文数や、オープンデータ量も年々上昇しており、世間的な注目度の高さも示されました。
国立研究開発法人科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)が実施したアンケート結果を示され、バイオインフォマティクス分野のうち、どのような人材が不足しているかをまとめられ、DryとWetの両方ができる人に対してニーズがあることや、研究者と支援者が混同されている点を指摘されました。
岩崎氏は最後に「これからも益々データが増え続けることは間違いありません。時間はかかるかもしれませんが、最終的には日本の大学の生物系の各学部・学科にバイオインフォマティクスの研究室が行きわたることを見据える必要があります。バイオインフォマティクスを学んだ学生にとって、仕事内容やキャリアパスがイメージできないとバイオ系以外の分野に流れてしまうため、企業からのアピールやマッチングサービス等プラットフォームの充実が必要だと思います。」
と締めくくりました。

バイオインフォマティクス人材本人達の現状と課題

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続いて株式会社tayo 代表取締役 熊谷 洋平氏より「バイオインフォマティクス人材本人達の現状と課題」についてご講演いただきました。
熊谷氏は大学でシアノバクテリアの生理学を学んだ後、大学院修士課程で海洋細菌の比較ゲノム解析にてバイオインフォマティクスを学びました。その後機械学習のエンジニアとして民間のIT広告企業に勤めましたが、大企業ではなくベンチャー企業を選んだのは、「情報の少なさ」と「ベンチャーの方が仕事の幅が広そう」だったからだと言います。その後、研究人材の求人サービスを提供する株式会社tayoを起業しました。
エンジニアや研究者採用はかなり売り手市場だと言われています。しかし研究職の求人には「ワクワク感」が不足しており、もっと研究者のキャリア選択を魅力的に感じられるような求人プラットフォームを作りたいと考え、tayo.jpの運営を開始しました。
tayo.jpは大学院生の募集から企業のインターン、正社員の求人まで掲載が可能です。プラットフォームだけではなくVR求人イベント等を行い、民間企業と若手研究者に対して、よりカジュアルな接点を作り出しています。
熊谷氏は「若手バイオインフォマティシャンの視点からは、民間のIT企業は風通しがよく楽しそうに見えますが、それは広報の力が大きいと思っています。大手製薬企業やバイオベンチャーの人は、もっと情報をオープンにし、バイオインフォマティシャンのキャリアが楽しいものだと業界全体で発信することが大事だと思います」
と強調されました。

パネルディスカッション

続いて、登壇者の二人に加え、モデレーターとしてLINK-Jの曽山、パネリストに武田薬品工業株式会社で採用に長く携わっている犬島大介氏と慶應義塾大学の後期博士課程に在籍している「生命情報科学若手の会」代表の板谷琴音氏視点も交えて、パネルディスカッションを行ないました。
テーマとして「若手バイオインフォマティシャンのキャリアパスは?」「バイオインフォの人材は、大手製薬企業はどのくらい必要としているのか?」、「他分野への防ぐには」等、熱い意見交換が行われました。
また、会終了後にはネットワーキングフリーディスカッションとして、参加者からのダイレクトな質疑応答の時間も設けました。チャットからの質問にも答えつつ、最後には参加者も加わり盛り上がりを見せました。

イベントにご参加の皆様、ご登壇者の皆様、誠にありがとうございました。
なお、今回のWebinar詳細については、URL にてご登録いただければ録画をご視聴いただけますので、是非ご覧ください。(2022年3月13日まで)。

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