2025年3月17日(月)に「北海道・札幌Life Science INDEX vol.5 札幌におけるライフサイエンス×AI最前線~産学官連携の今 そして札幌の魅力を本音で語る90分~」をハイブリッド開催いたしました。(主催:札幌市、北海道大学病院、LINK-J)
LINK-JのYouTubeチャンネルでアーカイブ動画を公開しています。
(動画は一部編集しております)
まず初めに、札幌市 北舘様とLINK-J常務理事 曽山より開会の挨拶をいたしました。
札幌市 経済観光局 経済戦略推進部 企業立地担当課
北舘 絢子氏
LINK-J常務理事
曽山 明彦氏

続いて、北海道大学の「ライフサイエンス×AI」の取り組みとして北海道大学の工藤先生にご紹介いただきました。
北海道大学大学院医学研究院 画像診断学教室・教授
北海道大学病院 医療AI研究開発センター・センター長
工藤 與亮 氏

北海道大学では2021年より大学院生や社会人を対象にした医療AI開発者養成プログラム(CLAP)を開始し、ほぼ同時期に社会実装を見据えた研究開発拠点として、北海道大学病院に医療AI研究開発センターを設置しました。2024年にはヘルスケア全体のAIXを実現することを目指してヘルスケアAIXイノベーションセンター(HAIXIC)も立ち上げ、半導体研究開発における医療での出口戦略も構想中です。本講演では北海道大学における医療AI研究開発の基盤、実際の研究開発事例、そして人材養成の取り組みについて紹介しました。
続いて、トークセッションとして札幌に拠点を構えているスタートアップ2社に事業のご紹介、札幌市より支援のご紹介をいただきました。
株式会社エヌビィー健康研究所 代表取締役
髙山 喜好 氏

MoGRAA®ディスカバリーエンジンで呼吸器疾患と自己免疫疾患での新たな治療法を提供、GPCRを標的とする抗体医薬市場を創造するスタートアップです。北海道大学内にラボを置き、開発をおこなっています。北海道にいながら、商談相手は国外がメインであり、環境もよい中で仕事ができています。将来的に、上市薬があり臨床開発もできる製薬企業を目指し、改めてチームビルディングを進めています。
株式会社Zene 代表取締役
井上 昌洋 氏

法人向けゲノム解析サービスやゲノムデータ提供事業を行う6年目のITベンチャーで、現在福島の南相馬市と札幌市に拠点があり、フルリモートで働いています。唾液からゲノム解析を行い、将来かかる病気・リスクを調べます。それをレポートとしてお知らせし、生活習慣の改善、行動変容の示唆する事業も展開しており、今では250団体以上の健康保険組合が採用しています。北海道大学病院とは予防医療の分野で連携し、北海道大学病院監修の認知症・高ゲノム解析を行っいます。北海道大学は認知症予防に食事療法を取り入れており、行動変容の提案までができるサービスを開発しています。
札幌市 イノベーション推進課長
太田 貴之 氏

札幌市では健康医療バイオ産業において各種補助金があるだけでなく、具体的な研究開発拠点となる市内の施設もありご紹介いただきました。また、札幌市では産学官連携でSapporo AI Labを立ち上げており、AI技術関連の情報発信及び啓発活動、人材の確保・育成や新たなビジネス創出の促進など多岐にわたる活動を行っています。
その取り組みの1つである実践的AI人材育成・実証プログラム「札幌AI道場」について具体例の紹介と成果があがっていることをお話いただき、会場内の注目を集めました。

パネルディスカッションでは「札幌進出の経緯・きっかけ」「産学連携について」「札幌の魅力」という3つテーマをメインに進めていきました。札幌市と大学、スタートアップとの物理的な距離の近さだけでなく、各プレイヤーとのネットワークの近さも印象的な札幌市の支援の取り組みや魅力に新たに気づくことのできたディスカッションとなりました。
アンケートでも「北大のAI人材教育、すばらしい。さっぽ都市と共同でのプログラムが出来ると力強いと感じました」「札幌市の柔軟かつ丁寧で実行力の伴った取り組みに感銘を受けました。」といった沢山のコメントをいただきました。
ご参加、ご視聴、誠にありがとうございました。