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イベントレポート

第26回LINK-Jネットワーキング・ナイトWITH SUPPORTERS「早稲田大学発スタートアップ企業育成の舞台裏」を開催(1/17)

1月17日(木)、日本橋ライフサイエンスハブにて「第26回 LINK-J ネットワーキング・ナイト WITH SUPPORTERS 早稲田大学発 スタートアップ企業育成の舞台裏」を開催いたしました。(主催:LINK-J)

本イベントは、早稲田大学でのライフサイエンス分野におけるテクノロジー系スタートアップ創出の「今」をお伝えする事を目的に開催されました。ネットワーキング・ナイト史上最多となる約170名の方にご参加いただきました。

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【挨拶】
笠原 博徳 氏(早稲田大学 副総長)

【講演・パネルディスカッション】
池野 文昭 氏(Stanford Biodesign Advisory Director)
朝日 透 氏(早稲田大学 理工学術院先進理工学部生命医科学科 教授)
村垣 善浩 氏(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 教授/脳神経外科 教授)
樋原 伸彦 氏(早稲田大学 ビジネススクール 准教授)※LINK-Jサポーター
武岡 真司 氏(早稲田大学 理工学術院先進理工学部生命医科学科 教授)
伊藤 毅 氏(Beyond Next Ventures株式会社 代表兼創業者)※LINK-Jサポーター

【ショートピッチ】
細川 正人 氏(bitBiome株式会社 取締役CSO)
今林 広樹 氏(EAGLYS株式会社 代表取締役社長)
栄田 源 氏(株式会社Genics Founder&CEO) 

初めに、笠原副総長より「早稲田大学の産学連携・ベンチャー創出・医療への取組」についてご挨拶いただきました。

笠原副総長は、ご自身が起業された経験から「死の谷を越えることは難しい」という状況を打開することが、大学発ベンチャー創出の鍵であると述べられ、「大学における智の創出をサポートする人材」「企業との共同研究の促進」「誰も解いたことのない問題を解く人材を育てる」の3要素を備えた、早稲田大学発ベンチャー育成エコシステム構築の取組みをご紹介いただきました。

現在、学内でベンチャーファンド創設準備を進められている他、EDGE-NEXTの取組みや、医理工融合研究教育拠点TWInsにおいて「生物・生命系×情報系」の次世代型医理工連携、医学部創設に向けた検討も進めています。また、3月5日には「早稲田大学オープン・イノベーション・フォーラム2019」が開催予定です。学内にもマッチングオフィスを設けて共同研究を推進し、早稲田大学発の新たなライフサイエンス技術創出に向け、産学連携を進められています。

IMG_5109.JPG 笠原 博徳 氏(早稲田大学 副総長)

「バイオメディカル分野におけるスタートアップの面白さと難しさ」


池野氏より、シリコンバレーでのご経験から医療機器・創薬分野のスタートアップの魅力と難しさについて、ご講演頂きました。

IMG_5022.JPG池野 文昭 氏(Stanford Biodesign Advisory Director)

池野氏は2001年にスタンフォード大学に留学後、現在までシリコンバレーベンチャーと共に医療機器開発に取組まれてきました。多数の製品を生み出す一方で、製品化できなかった例は10倍近くに及ぶそうです。それは、革新的製品を生み出す難しさ故であり、「成功確率は低いが、化けたらデカい!」と製品開発の面白さを語られ、ご自身で設立されたKAI Pharmaceuticalsが買収された経緯などをお話しいただきました。

 また、医療機器・創薬市場の世界動向を踏まえ、イノベーション創出の道筋をご提示いただきました。医療機器はニーズを起点に開発をするニーズドリブン、創薬は発見を起点に開発をするテックプッシュのイノベーションが起きやすいという特徴があります。また、開発期間の長さ、コストの大きさ、専門性の高さなど、製品化までにはいくつものハードルがあります。それらを乗り越えるため、スタートアップを支えるエコシステムが必要であることを強調されました。さらに、人材育成の方法として、スタンフォード大学発SPARKプログラムをご紹介され、バイオデザインの取組みが国内大学に広がっていることなどを、ご説明頂きました。

「早稲田大学における産学連携によるイノベーター人材の育成」


朝日氏より、早稲田大学におけるEDGE-NEXTの取組みや、その他の起業家育成プログラムについてご説明いただきました。

IMG_5027.JPG朝日 透 氏(早稲田大学 教授)

 早稲田大学は、私立大学として唯一、文部科学省EDGE-NEXTに採択され、「人材育成のための共創エコシステムの形成」に取組んでいます。2014年より実施されたプログラムでは、3年間で2000人以上が受講し、8社が起業するという成果を挙げました。この取組みを継続するため、2017年に開設された「ビジネスクリエーションコース」では、起業家マインドの醸成からビジネスモデル構築まで、実践的にレクチャーしています。また、イノベーション教育プログラムとして、理工系イノベーション人材を養成する「大川アカデミー」、グローバルな課題解決を実践する人材を育成する「本田アカデミー」の2つのプログラムを提供しています。

 学内での取組みに止まらず、「EDGE-NEXT実施コンソーシアム」として滋賀医科大学、山形大学、東京理科大学、多摩美術大学と連携し、各大学の強みを生かした多様なプログラムを提供しています。また、アジア、ヨーロッパ、北米の各大学と連携し、海外から受講生も受け入れ、アントレプレナー教育の国際拠点を目指しています。1年間で会社設立から解散までを体験する「REAL」、MBAレベルのビジネス知識を18時間で習得する「マイクロMBA」などのプログラムを通し、実践力育成に力を入れられています。

「次世代からのピッチ」~早稲田大学発ベンチャーによるプレゼンテーション~

bitBiome「シングルセルゲノム解析による微生物の機能解明と産業活用」

細川正人氏から、2か月前に設立されたばかりのbitBiome社の微生物ゲノム解析技術の有用性についてご説明頂きました。

IMG_5036.JPG細川 正人 氏(bitBiome株式会社 取締役CSO)

古くから微生物は、抗生物質などの医療分野で活用されてきましたが、微生物全体の1%未満しか活用されていません。同社は、ゲノム解析からモノづくりをする現代において、微生物資源の価値に光をあてた事業を目指しています。

bitBiome社のシングルセルゲノム解析では、細菌叢の中から1細胞ごとにゲノム解析をすることが可能です。微生物のピンポイント解析によって、疾病や特定の代謝に関与する微生物の発見が可能になり、診断マーカーの開発や、薬剤候補物質の発見などの医療分野から、水産・農業まで多岐に渡る分野で貢献したいとビジョンを語られました。

EAGLYS「データを守りながら活用できる、秘密計算エンジン」

今林氏より、秘密計算エンジンCapsuleFlow開発秘話と、データ活用の未来像をご説明いただきました。

IMG_5041.JPG今林 広樹 氏(EAGLYS株式会社 代表取締役社長)

今林氏は、WASEDA-EDGEの支援を受け、データサイエンティストとしてシリコンバレーで働き始めました。そこで、セキュリティの壁や機密情報が活用できないといった問題に直面し、ある論文からセキュリティを守りながらデータを活用できる暗号化方法を見出だされました。開発されたEAGRYSのシステムを使うことで、例えば、病院と遺伝子検査機関がそれぞれ保有する情報を暗号化したまま統合し、解析値を得ることができます。これまで、セキュリティの観点から活用できなかった「医療情報」を各個人の情報を知ることなく、活用できるようになります。医療情報だけでなく、IOTとクラウドすべて暗号化したまま流通できる世界を作ると、ビジョンを語られました。

Genics「革新的全自動歯ブラシが起こす、歯磨き革命」

栄田氏より、全ての人が歯磨きできる世界を目指す「ロボット工学×ヘルスケア」試みをご紹介いただき、新たな歯磨きの在り方をご提案いただきました。

IMG_5046.JPG栄田 源 氏(株式会社Genics Founder&CEO)

Genics社が開発する新たな全自動歯ブラシは、くわえるだけで、いつでも、どこでも、歯を綺麗にすることができる画期的なデバイスです。忙しいビジネスマンだけでなく、手の不自由な方、介護現場など、あらゆる場面で活用できます。現在開発中の全自動歯ブラシに口腔環境を感知するセンサーやAIを搭載することで、診断から口腔ケアまで完了できるという、未来の歯磨きの在り方をご提案いただきました。「歯磨き革命を起こしたい」という素朴な思いからスタートした製品で、将来の歯磨き文化が変わることが期待されます。

テクノロジー系スタートアップをいかに産み出すか? Nihonbashi X Waseda ~パネルディスカッション~

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初めに武岡氏、村垣氏、伊藤氏よりご経歴や事業紹介を頂きました。

武岡氏からは、東レ株式会社と共同研究を進めている、生体適応可能な高分子素材、ナノシートについてご説明いただきました。村垣氏からは、IoTを活用して各種医療機器・設備を接続・連携させ、手術の進行や患者さんの状況を統合把握する「スマート治療室」SCOTの開発についてご説明頂きました。伊藤氏からは、創薬系ベンチャーの起業支援プログラム「BlockbusterTOKYO」や、日本橋にオープンした日本初都心型WETラボ「Beyond BioLAB」、早稲田大学ベンチャーに特化したファンドの設立などをご紹介頂きました。


その後、モデレーター樋原氏より「早稲田のスタートアップシステムは世界からどう見えているのか?」「投資に値する学生は出てくるのか?」など、鋭い質問が繰り出され、ざっくばらんな議論が展開されました。研究室発シーズの事業化だけでなく、自ら起業家を目指す学生が増えている中で、大学としての支援の在り方、VCとしてのかかわり方、起業に必要なネットワーク構築など、多様な立場から意見が飛び交いました。また、「ニーズの右手とシーズの左手が繋がる機会が重要」「ビジネスは仲間探し、必要な協力者、仲間を探し続ける活動」など人と人とのつながりを重視する意見が展開され "つながれる場"としてLINK-Jや日本橋への期待などの話題も挙がりました。

IMG_5094.JPG左:武岡 真司 氏(早稲田大学 教授) 右:村垣 善浩 氏(東京女子医科大学 教授)

講演後は、ホワイエにて懇親会が行われました。当日は民間企業、大学関係者など幅広い層の方から、約170名の方にご参加いただき、誠にありがとうございました。参加者からは、「起業するチャンスがたくさんあると感じた」「ライフサイエンスに関して様々な角度から話が聞けて良かった」「イノベーションの切り込み方を幅広く知れた」など多数のご意見を頂きました。

早稲田大学との次回のネットワーキング・ナイトは、5月23日(木)に予定しています。是非、奮ってご参加ください。

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