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イベントレポート

「若手研究者のためのスタートアップによるキャリアフォーラム」を開催(9/12)

2020年9月12 日(土)、オンラインにて「若手研究者のためのスタートアップによるキャリアフォーラム」を開催いたしました。(主催:LINK-J)

本イベントは、スタートアップ企業と若手研究者が効率的に出会える場を提供することを目的としたキャリアイベントで、スタートアップ11社が登壇し、大学や研究機関に所属する博士やポスドクの方を対象とした講演と個別セッションが行われました。

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講演:宮﨑 勇典 氏(ANRI株式会社 プリンシパル)
登壇企業:
株式会社セルファイバ
シンクサイト株式会社
株式会社ガイアバイオメディシン
Craif株式会社(旧:イカリア)
株式会社セツロテック
PLIMES株式会社
LiberoThera株式会社(リベロセラ)
株式会社ナレッジパレット
株式会社Elix
シンクランド株式会社
オプティアム・バイオテクノロジーズ株式会社

研究者がスタートアップ企業に勤める意義とは

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まずはアイスブレイクとしてANRI株式会社宮﨑氏にコロナ禍におけるライフサイエンス業界のスタートアップの状況と研究者のキャリアパスの多様性についてご説明いただきいただきました。
宮﨑氏は基礎研究者として従事された後、研究技術の社会実装や事業化に携わるようになったというご経験から、米国では博士課程を卒業後にベンチャーを起業することや、ベンチャーキャピタルに関わるなど、エコシステムを醸成するキャリアパスを選択している例をご紹介されました。
また、米国とは投資額の差があるものの、日本でも博士の起業が増加しており、ベンチャー企業の裁量の自由度があること、給与も成長によっては大きなリターンが見込めるなどメリットについても述べられました。

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とくに、ベンチャー企業は若手研究者が活躍できる選択肢の一つであることを強調され、「現場での経営人材、研究人材は常に不足しています。米国では研究者の進路としてスタートアップの研究職への就職は当たり前に考えられていますし、日本もそうなってほしいと思っています。スタートアップへ就職することへの不安もあるかもしれませんが、その場所で頑張っていれば次のキャリアステップにも繋がると考えています。」と述べました。

登壇企業11社によるショートピッチ

個別セッションに入る前に登壇企業11社による3分間のショートピッチを行いました。
各社事業内容やR&Dのテーマ、求める人物像などを発表し、参加者は本ピッチを基に興味をもった3社を選び、個別相談を実施しました。

株式会社セルファイバ

登壇者:安達 亜希(代表取締役・創業者)
セルファイバは、細胞製品の普及実現を目指し、2015年に設立された東京大学発ベンチャー企業です。ゲルチューブに内包された細胞構造体「細胞ファイバ」を用いて、医療用途における細胞の大量培養ソリューション開発に取り組んでいます。
ビジョンに共感し、自身の専門性を活かして成し遂げたいテーマのある研究メンバーを募集しています。

シンクサイト株式会社

登壇者:勝田 和一郎(代表取締役)
シンクサイトは革新的なシングルセル分析分離技術をもとに、新しい細胞医薬、創薬、診断技術の研究開発を進めている東京大学、大阪大学発のベンチャー企業です。機械学習を利用した超高速の細胞分析システムを開発し、医療と生命科学の世界にイノベーションを起こすことを目指しています。
現在20名のスタッフの中に8名の博士を持つ研究員が在籍しており、アカデミックな研究成果と事業を両立させることを重視しています。
多分野にも進出し自分の領域を広げながら、個人としても研究を積み重ねて将来的なキャリアに繋げていきたい研究者の方を募集しています。

株式会社ガイアバイオメディシン

登壇者:中條 充朗(管理本部 取締役CAO)
ガイアバイオメディシンは、再生医療等製品の開発・実用化、革新的な治療法を提供していくことを目的とした、2015年に設立した九州大学発バイオベンチャーです。細胞製剤として、生理的に存在しない全く新しい「高活性化NK細胞様CD3陰性細胞」を用いたがん免疫治療の開発を推進しており、2020年度中を目途に治験を開始することを目指しています。

Craif株式会社

登壇者:水沼 未雅(COO)
Craifは尿検査による「痛みのない高精度ながん早期発見」を目指して設立された名古屋大学発ベンチャーです。酸化亜鉛ナノワイヤを用いた独自のデバイスを開発し、尿からエクソソームを高効率に捕捉できる技術によって、エクソソーム内のmiRNAの発現パターンを解析し、がんの早期診断技術開発を行います。
バイオロジー、バイオインフォマティクス、エンジニアリングの研究者が所属しており、国際色豊かなメンバーが所属しています。

株式会社セツロテック

登壇者:竹澤 慎一郎(管理部 CEO)
セツロテックはゲノム編集技術を活用し、創薬研究支援やバイオ研究支援、ゲノム編集プラットフォーム事業を行っています。オーダーメードによるゲノム編集マウスやゲノム編集培養細胞を提供していますが、将来的にはこの技術を畜産分野に応用し、ゲノム編集による育種法を開発し、新たな品種、高付加価値のある品種の投入を目指していきます。
現在は研究開発職や海外の事業開発、技術営業職や技術職に興味のあるメンバーを募集しています。

PLIMES株式会社

登壇者:仁田坂 淳史(取締役 Co-Founder)
PLIMESは「嚥下計測を当たり前にし、食事で困る人をなくす」というミッションのもと嚥下計「GOKURI」の開発を進めている、筑波大発ベンチャーです。これまで、医師の耳で感覚的に捉えていた飲み込むという行為をディープラーニングによって定量化し、経験の浅い医師でも「GOKURI」を使うことで、簡単に観測することができ、食事が原因で死亡するケースを減らすことを目的としています。

LiberoThera株式会社

登壇者:菅家 徹(代表取締役)
リベロセラは膜タンパク質を標的とした創薬及び関連サービスを行う、2018年に設立された理研発ベンチャーです。理研で開発された無細胞膜タンパク質調製技術等を用い、GPCR等をターゲットとした新規医薬品の研究開発を行っています。
創薬研究全般(GPCR、抗体医薬)に興味のある研究者を求めています。

株式会社ナレッジパレット

登壇者:團野 宏樹(CEO)
ナレッジパレットは2018年に創業した研究開発型ベンチャーです。
高精度なトランスクリプトーム解析技術(次世代シーケンサーを活用したオミックス解析法)をベースとした、「細胞から情報を得る技術」と「情報で細胞を制御する技術」の研究開発を行い、創薬と再生医療の加速化を目指しています。理化学研究所で開発されたコア技術は、国際ベンチマークで1位を獲得しました。

株式会社Elix

登壇者:結城 伸哉(Co-Founder&CEO)
Elixは2016年に設立したディープラーニングに特化したAIスタートアップです。特性予測及び分子設計を中心としたAI創薬プラットフォームの提供などを行っています。
メンバーは世界11ヶ国から集まっており、社内公用語は英語です。AI専門のエンジニアや研究者が中心ですが、最近はケミストやバイオロジストの採用も行っています。

シンクランド株式会社

登壇者:及川 陽一(取締役 兼 CTO)
シンクランドは、光通信技術を応用した医療機器開発を手掛けています。自社が保有するハイレベルな「光学技術」や「電気信号処理技術」と、産官学が保有する高機能な「最新テクノロジー」とを連携することで、日本発の最先端製品を創造し、国内外に展開しています。
Hollow Micro Needle (HMN)やOCT技術の開発がその一例です。
妄想を実現したい学生の皆さんを募集しています。

オプティアム・バイオテクノロジーズ株式会社

登壇者:西岡 駿(代表取締役社長)
オプティアム・バイオテクノロジーズは2020年6月30日に創業した愛媛大学発バイオベンチャーです。遺伝子改変技術を応用し、免疫治療効果の高い抗体を効率よく作製できる新技術 「Eumbody System™」を開発しました。この技術によってCAR-T細胞の機能を最大化させ、難治性がんの医薬品開発に挑みます。
CAR-T細胞医療は今後の市場規模の拡大が見込まれる分野です。興味のある研究者の方を募集しています。

全体での講演終了後40分間の個別セッションルームにそれぞれ移動していただき、より詳しい企業の研究内容や求めている人材の発表があった後、参加者からの質疑応答をおこないました。
当日は大学生~若手研究者まで、100名以上の方にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。
LINK-Jでは今後も若手研究者と企業を結ぶキャリアフォーラムを計画しています。ぜひご参加ください。

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