2021年1月28日(木)オンラインにて「京浜臨海部における 新型コロナウイルス感染症対策の研究開発」を開催いたしました。(主催:神奈川県、横浜市、川崎市(京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区)、共催:LINK-J)
本イベントは、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の区域内における新型コロナウイルス感染症対策の研究開発の成果の共有だけでなく、参加する皆さまの知見を深めることを目的としたイベントで、製薬企業や医療機器メーカー、大学の研究者の方など、145名の方にご参加いただきました。
【登壇者】
開会挨拶 :近藤 陽介 氏(横浜市 経済局 産業連携推進課)
モデレーター:宮田 満 氏(株式会社宮田総研 代表取締役社長)
登壇者 :梁 明秀 氏(横浜市立大学大学院 医学研究科 微生物学 教授)
森本 拓也 氏(花王株式会社 安全性科学研究所 プロジェクトリーダー)
穂積 克宏 氏(神奈川県ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室 ライフイノベーション担当課長)
閉会挨拶 :曽山 明彦(LINK-J 事務局長)
モデレーターによる講演
宮田 満 氏(株式会社宮田総研 代表取締役社長)
まずはじめに、モデレーターの宮田満氏から昨今の新型コロナウイルス感染症についての状況と日本の現状、京浜臨海部の位置づけについてお話頂きました。
「新型コロナウイルス感染症に対する検査法の開発」
梁 明秀 氏(横浜市立大学大学院 医学研究科 微生物学 教授)
梁氏は、従来からの産学連携の成果である抗原蛋白合成の技術を用いて、新型コロナウイルス感染症発生後、迅速に検査法を開発したその具体的内容や方法、効果についてお話頂きました。
「新型コロナウイルス感染症に産学で挑む~VHH抗体の可能性~」
森本 拓也 氏(花王株式会社 安全性科学研究所 プロジェクトリーダー)
森本氏は花王、北里大学、埼玉大学から誕生したEpsilon Molecular Engineer(EME)社との共同開発により新型コロナウイルスに対して抑制能(中和能)を有するVHH抗体の取得に成功した経緯やVHH抗体の機能についてお話頂きました。
「新型コロナウイルス感染症に係る最先端技術からのアプローチ」
穂積 克宏 氏(神奈川県ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室 ライフイノベーション担当課長)
穂積氏は官の立場から、新型コロナウイルス感染症に係る最先端技術からのアプローチとして、次世代のPCR検査法と呼ばれるスマートアンプ法を紹介しました。5年前から外来感染症対策として、神奈川県衛生研究所と理化学研究所が共同研究したスマートアンプ法を支援しており、その特徴として、検査の安全性、簡便性、感度の良さ、迅速さなどを挙げています。
モデレーター・講演者によるパネルディスカッション 「withコロナ afterコロナ]
宮田氏をモデレーターとして、登壇者全員で①実用化を推進する産学官連携とは何か、②次のパンデミックに対する備えはどうしたらよいか、の二点に絞り深掘りの議論が展開されました。
アンケートからは、今回のイベントを通して「連携のスピードと成果への実行力」を感じることができたとする感想や、「引き続き、産学官の連携において先進的なお取り組みを継続いただくとともに、行政においては今後の社会課題解決のための基礎研究を後押しするようなお取り組みをお願い致します」といった期待の声が多く寄せられました。
ご参加の皆様、ご登壇の皆様、誠にありがとうございました。参加者の皆様からのご好評につき、Youtubeにて今回のオンラインセミナーを公開しております。ぜひご覧ください。
LINK-Jは今後も各自治体と連携して、ライフサイエンス分野のエコシステムの構築に向けてイベントを実施していく予定です。