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イベントレポート

「LINK-J×BCG Biopharma R&D Seminar ~製薬R&Dを巡る近年のトレンドと生産性向上に向けた取組みアプローチ~」を開催(11/1開催)

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2022年11月1日(火)、日本橋ライフサイエンスハブにて、「LINK-J×BCG Biopharma R&D Seminar ~製薬R&Dを巡る近年のトレンドと生産性向上に向けた取組みアプローチ~」を開催いたしました。

本シリーズでは、製薬企業のR&D生産性を巡る近年のトレンドの全体像を概観した上で、生産性向上に資するレバー毎に国内外の製薬企業による取組事例やアプローチを皆様と共有します。
今回のセミナーではBCGからのプレゼンテーションだけでなく、製薬企業で経営の立場からR&Dをマネージされている方々をお招きし、それぞれの企業における実際の取組みをお話し頂きました。
製薬企業、スタートアップ、アカデミア関係者など幅広い方々約70名にご参加いただき、今後のR&Dへの取組みアプローチを検討する上で示唆に富んだ内容になりました。

開会挨拶

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曽山 明彦(LINK-J常務理事)

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北沢 真紀夫 氏(ボストン コンサルティング グループ マネージング・ディレクター&シニア・パートナー、LINK-Jサポーター)

講演

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中村 健 氏(ボストン コンサルティング グループ パートナー)

「製薬R&Dを巡る近年のトレンド」

中村氏の講演では、製薬R&Dを取り巻く3つの大きな環境変化として、(1)競争の激化/業界の進化、(2)ライフサイエンスにおけるイノベーションの加速、(3)R&DにおけるAI/Digital活用の進展についてお話しいただきました。

具体事例として、トップバイオファーマのR&D生産性が中長期的に低下傾向にあること、モダリティ・プラットフォーム技術の重要性が拡大し、トップバイオファーマは新たなモダリティに大規模かつ選択的に投資していること、R&Dにおいても新たなデジタルプレイヤーが台頭している状況などについてデータを交えながらご紹介いただきました。

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金城 聖文 氏(ペプチドリーム株式会社 取締役副社長CFO)

「創薬ベンチャーにとってR&D生産性とは」

金城氏の講演では、(1)ペプチドリーム社の事業概要、イノベーションモデル、(2)R&D生産性向上に向けたチャレンジについて、創薬ベンチャーの観点からお話しいただきました。
同社は独自の創薬開発プラットフォームであるPeptide Discovery Platform System (PDPS)を活用し、特殊環状ペプチド創薬に加えて、ファーマコフォア情報を用いた低分子創薬、及びペプチド薬物複合体(PDC医薬品)への展開を進めています。
同社は、新たなイノベーションモデルへの挑戦として、国内外の製薬企業との提携/共同開発・商業化、120を超える数多くのパイプラインを持つことによるリスク分散、マイルストン型収益モデルといった独自のビジネスモデルを構築しています。
これらの特徴を強みとして、プラットフォーム企業として、次世代モダリティのグローバルネットワーク・エコシステムの中核的ハブでありたいと述べられました。

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平島 昭司 氏(第一三共株式会社 代表取締役 専務執行役員 日本事業ユニット長)

「『グローバル創薬企業』の経営戦略」

経営の観点から見た研究開発をテーマとして、同社の経営状況、エンハーツとADCテクノロジー、モダリティ新技術、グローバル創薬企業としての経営戦略の考察をお話しいただきました。

冒頭、今、創薬で競争に勝つためには、「惜しみなく臨床開発に資金をつぎ込むことが必要だ」と強調されました。その決断の背景となる第Ⅰ相臨床試験のデータは重要であり、デザインとデータ解釈に全精力を傾けるべきであると言います。
そして、グローバル創薬企業の経営戦略のポイントを、私見も交えて3つ挙げられました。

1点目が、研究開発への投資戦略です。製薬企業は主にパイプラインの価値で企業価値を判断されるので、研究開発への投資戦略そのものが経営戦略のコアとなります。そのため研究開発については経営側が直接見て判断することが重要で、時に思い切った投資判断も必要です。
2点目が、グローバル開発への投資です。昨今の競争環境激化を考慮すると、見込みが有ると判断した場合はグローバル開発への最大限かつスピード感を持った投資が必要です。
3点目が、研究への投資です。研究と開発とは連続的に考える必要がありますが、研究と開発の対象を同じターゲットに絞ることはなく、ディスカバリーに関してはバラエティーに富んだポートフォリオで攻めないと成功しないと述べられました。

パネルディスカッション

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ファシリテーター:植草 徹也 氏(ボストン コンサルティング グループ マネージング・ディレクター&シニア・パートナー)
パネリスト:演者

パネルディスカッションでは植草氏をファシリテーターに迎え、参加者からの質問を交えながら、
・R&D生産性、日本発のイノベーションを起こすためのポイントや成功のコツ、課題
・R&Dに関するデジタルトランスフォーメーション、AI、データ活用などの活用についてどう考えるか、日本の製薬企業に足りないものは何か
・日本の製薬企業はこれからも創薬研究を続けていくべきか
・開発機能の内製・外注はいずれが今後の展望として望ましいか
などについて議論が行われました。

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ネットワーキングタイム

セッション後には、登壇者・参加者による積極的な交流が行われました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

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