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イベントレポート

アメリカ国立衛生研究所(NIH)の商業化への取り組みと日本企業とのコラボレーション(楽天メディカルを例に)を開催(5/19)

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2021519日(水)にオンラインにて「アメリカ国立衛生研究所(NIH)の商業化への取り組みと日本企業とのコラボレーション(楽天メディカルを例に)」を開催いたしました。(主催:LINK-J、共催:アメリカ国立衛生研究所 [NIH])

(※画像をクリックすると動画がご覧いただけます)

【登壇者】

Dr. Michael L. Salgaller, Ph.D., Supervisor, Invention Development and Marketing Unit (IDMU), Technology Transfer Center | National Cancer Institute | National Institutes of Health
Dr. Miguel Garcia-Guzman, Ph.D., Founder and CSO of Rakuten Medical Inc.

NIHの商業化への取り組みの紹介

NIHの一部門である国立がん研究所(NCI)の技術移転部門においてスーパーバイザーを務める、Michael L. Salgaller先生より、NIHの商業化への取り組みについてご講演いただきました。
NIHは基礎研究や創薬研究しか行わず、またアメリカ国内の企業やアカデミアとの連携しか行わないといったステレオタイプがあるという点に触れられた後、いかにNIHがオープンであり、外部の企業・アカデミアとのワールドワイドなパートナーシップを重要視しているかについてお話しいただきました。
続いて、商業化を目的としたNIHとの協業は、企業・アカデミアとNIH双方にとってメリットがあるものであり、NIHにある27の研究所とその資産により、あらゆる技術に対して広域な支援が出来るということをご紹介いただきました。Salgaller先生はNCI内の産学連携推進を担当されている一方で、NIHにある27の研究所のうちの9研究所から産学連携推進機能をアウトソースとして受けており、他の18研究所にもSalgaller先生が喜んで繋ぐので、躊躇することなく連絡してほしいと、下記Salgaller先生の連絡先をお示しいただきました。

Contact: michael.salgaller@nih.gov

最後に、NIHと日本企業が協業してきた歴史についてお話しいただきました。NIHは基礎研究から商業化に向けた取り組みに積極的に取り組んでおり、日本のライフサイエンスプレイヤーとこれまでに85のプロジェクトを実施してきました。共同開発協定を結んでいて、現在進行形で協業が進められている唯一のプロジェクトが楽天メディカルとの協業です。日本企業との協業をこれからも継続していきたいというお言葉で講演を終えられました。

また、日本の皆様にぜひシェアしてほしいということで下記資料2ページをご提供くださいましたので、合わせてご高覧下さい。

michael0519.pngのサムネイル画像 NIH TTC One-Pager Q2 2021_ページ_1.jpgDocument from Dr. Salgaller(※クリックするとPDFが開きます)

NIHと日本企業のコラボレーション実例(楽天メディカル)

続いて、現在NIHと協業中である楽天メディカルの創始者兼CSOを務めるMiguel Garcia-Guzman先生より、支援の実際と商業化を進めている「がん光免疫療法」の技術についてご講演いただきました。
まず、ご自身のバックグラウンドや会社概要についてご説明頂いた後、2011年から始まったNIHとの協業について時系列に沿ってお話しいただきました。
続いて、NIHと協業する意義については、基礎研究を実用化へ転換していくためのサポート体制、資金調達、ライセンス化へのスムーズな手続き、NIH研究員による継続的な科学的・技術的支援など、現在までに受けた様々な支援についてお示しいただき、講演を終えられました。
※楽天メディカルが現在商業化に向けて取り組んでいる「がん光免疫療法」とは、IR700結合抗体を患者の体内に注入、抗体はがん細胞や腫瘍を認識、非熱性の近赤外光を照射することで抗体が活性化、標的の細胞膜を破壊するという新しいがんの治療法です。

miguel0519wslide.png

Q&A, discussion

続いて、LINK-J曽山も加わり、三名でディスカッションを行ないました。NIHへのアプローチを考えている企業へのアドバイス、技術のライセンス化への手順について等伺うことが出来ました。
Guzman先生から、NIHとのコラボレーションを考えている企業に対して、敷居が高いと感じるかもしれないが、アーリーステージのフェーズにある技術であっても、NIHはフレキシブルであり、協業開始時は小規模のビジネスであったが、ポジティブな反応が得られたという経験談から、遠慮せずに連絡すれば何かしらの支援の方法が見つかるとのアドバイスをいただきました。

michaelmiguelso.png

イベントにご参加の皆様、ご登壇者の皆様、誠にありがとうございました。
なお、今回のNIHSalgaller先生のプレゼンテーションは、LINK-JYouTubeチャンネル にて録画をご視聴いただけますので、是非ご覧ください。

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