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セルトリオンのオープンイノベーション戦略:スタートアップと一緒に作るバイオイノベーションの新しい可能性

セルトリオン、可能性を実現する企業

セルトリオンは、2002年に韓国の仁川松島国際都市で創業したバイオ製薬企業です。2013年、世界初の抗体バイオシミラーである「レムシマ(Remsima®/成分名:infliximab)」が欧州で承認を取得したことを皮切りにグローバルバイオシミラー市場を開拓しており、現在、免疫疾患(Immunology)や抗がん(Oncology)など、多様な治療領域にわたり、海外で11のバイオシミラーの承認を取得、世界約120か国in医薬品を供給しています。

2025年には、売上は約4,600億円、営業利益は約1,782億円となっており、過去最高の業績を達成しました。従業員数は約3,360人(2026年2月現在)であり、主な事業領域はバイオシミラーから新薬開発に至るまで、幅広い事業を営んでいます。

セルトリオンは、研究開発(R&D)、グローバル臨床試験、許認可、製造、流通など、バイオ医薬品事業における全過程(Full Value Chain)を自社で行う能力を有しています。アジアでは初めて米FDAのcGMP承認を取得した、計400,000L規模の生産設備(韓国の3工場+米国の製造施設)を保有しているほか、現在は、臨床・工程開発・細胞株開発など、次世代のパイプライン拡大に取り組んでいます。また、2040年まで計40製品の発売を目指しており、バイオシミラーを超えた新薬中心のポートフォリオへのシフトを推進しています。

※セルトリオンの会社紹介資料(英語):https://www.celltrion.com/ko-kr/comm/surl/183

グローバルでのバイオシミラーの成功から新薬挑戦へ

製薬産業は、一つの新薬開発に莫大な時間と費用がかかる高リスク・高コストの分野です。長年にわたる研究開発期間に加え、成功率低く、商業化の前に大規模な投資が欠かせない構造的なリスクが存在しています。

このような背景から、オープンイノベーション、つまり、外部のアイデアや技術を積極的に取り入れ、内部のアセットを共有する開かれたエコシステムを構築する戦略が注目されています。特に、AIやデジタルヘルスケアなど、先端技術の融合が加速化している時代においては、1社だけでは限界があるため、技術競争力を確保する手段として外部のイノベーションパートナーとの協力が一層重要なものになっています。

セルトリオンは、バイオシミラー開発の成功により蓄積した経験と能力をもとに、新薬開発会社への転換を推進する上で、オープンイノベーションを中核的な戦略として位置付けています。外部のスタートアップの革新的な技術やアイデアを積極的に採用し、内部のリソースを共有することで、新薬開発のリスクを分散させ、開発の効率を高めていく考えです。

セルトリオンは、スタートアップからグローバルバイオ企業へと成長してきた経験とノウハウに基づき、有望なスタートアップとのパートナーシップを通じて、バイオエコシステムの持続可能な好循環構造を築くことを目指しています。

[図1]セルトリオンのグローバル生命工学研究センター

セルトリオンのオープンイノベーション戦略:イノベーションパートナーをつなぐ架け橋としての役割

セルトリオンは、「オープンイノベーション・ブリッジ(Open Innovation Bridge)」というエコシステムプラットフォームを構築し、スタートアップと政府・自治体、学界・研究機関、産業パートナー(製薬会社、CMO/CDMOなど)、ベンチャーキャピタルをネットワーク化しています。スタートアップの研究開発、臨床試験、事業化の全過程を支援することで、大企業とスタートアップが共に成長する好循環構造を作っています。

このため、①オープンイノベーション・エコシステムの構築、②協力プログラムの運営、③投資の好循環モデルの構築を三本柱に、戦略を展開しています。

1) オープンイノベーション・エコシステムの構築

セルトリオンは、共存共栄ベースのイノベーションが続くためには、政府と自治体の制度的支援、産業界との実質的な協力はもちろん、メンタリング・資金・インフラ・ネットワーキング提供する連携機関と、優れた研究能力をもつアカデミアが共に参加する統合協力体制が必要だと認識しています。こで、各参加者が自分強みをさらに活かせるよう、知識・ネットワーク・インフラを有機的につなぐ架け橋としての役割を継続的に強化しており、スタートアップの初期段階の研究技術から商業化に至るまで、技術相談やメンタリングの提供、共同研究機会の発掘、インキュベーションの連携など、全サイクルにわたる支援体制を構築しています。

[図2]セルトリオンのオープンイノベーション・ブリッジゲート

2) 協力プログラムの運営

セルトリオンは、韓国内における政府・自治体のR&D・創業支援事業と連携し、主要バイオクラスターのスタートアップ育成プラットフォームを活用して、有望なバイオスタートアップを発掘しています。韓国の5拠点(ソウル、仁川、江原道、忠清北道、京畿道) 6つのオープンイノベーションプログラムを運営しており、2025年の1年間で10社以上のスタートアップを選定し、各社に合った技術高度化に向けたコンサルティング、定期的なR&Dメンタリング、グローバルネットワークとの連携などを提供してまいりました。

さらに、グローバルなインバウンド・アウトバウンドプログラムも運営しています。日本では、2023年から神戸医療産業都市(KBIC)主催の「関西ライフサイエンススタートアップ海外展開支援プログラム(KLSAP)」にスポンサーとして参加し、韓国のスタートアップの初参加を実現するなど、プログラムのグローバルネットワークの拡大および競争力の強化に貢献しています。また、KBICと連携し、日本のスタートアップを対象とする新しい協力プログラムも準備しています(2026年9月開始予定)。アメリカでは、ソウルバイオハブと共にGOI(Global Open Innovation)プログラムを通じて、初期のスタートアップを誘致し、共同研究の機会を模索しています。このほか、中国(2026年開始)イギリス(2027年開始予定)でも、各国のバイオスタートアップを対象とするインバウンドプログラムを運営・企画するなど、グローバルオープンイノベーションのネットワークを継続的に拡大しています。

[図3]セルトリオンのオープンイノベーション協力プログラム韓国)

[図4]セルトリオンのオープンイノベーション協力プログラム(グローバル)

3) 投資の好循環モデルの構築

バイオスタートアップは、初期研究に成功したとしても、その後の成長過程で投資が受けられないことが多々あります。セルトリオンは、このような構造的な問題を改善するため、多数のファンドを運用しており、国内外のVCとの共同投資を通じて、有望な技術を早期に発掘、スタートアップの初期段階からスケールアップまで一貫して支援する投資の好循環モデルを構築しています。

オープンイノベーションの主な成果

このようなオープンイノベーション戦略を通じて、セルトリオンは有望なバイオスタートアップと目に見える成果を生み出しています。セルトリオンのバイオ医薬品における事業力とスタートアップの革新的な技術力を掛け合わせ、バイオ新薬のパイプラインを急速に拡大しています。特に、抗体薬物複合体(ADC)や多重特異性抗体など、抗体ベースの新薬分野を中心に、外部とのパートナーシップを通じて次世代候補物質を確保しており、オープンイノベーション協力プログラムによる主な成果は、以下の通りです。

企業名内容
マストバイオ(韓国)全ての固形がんをターゲットとする3重特異性融合タンパク質(PD-1×VEGF×IL-2v)由来の免疫抗がん剤プラットフォームの共同開発およびグローバルライセンス契約締結
ギャラックス(韓国)AIタンパク質設計プラットフォーム「GaluxDesign」に基づき、複数のターゲットに作用する多重特異性抗体由来の自己免疫疾患治療薬に関する共同開発契約の締結
ポートレイ(韓国)空間トランスクリプトームベースのAI解釈プラットフォーム「Portrai TARGET」を活用し抗がん新薬の新ターゲットの発掘に関する共同研究開発契約締結

このほかにも、米国のカイジーン(Kaigene)との間では自己免疫疾患向け多重特異性抗体由来の新薬候補2種の導入に関する契約を締結する一方、韓国のトリオアー社(TRIOAR)のADCプラットフォーム「TROCAD」の技術移転および共同開発に関する契約を締結など、様々な成果を出しています。このように、セルトリオンは、従来のバイオシミラー中心事業展開から、ADCや多重特異性抗体、AIを活用した新薬開発など、次世代のモダリティを確保するため、有望なスタートアップとの協力に積極的に取り組んでいます。

開放と協力によるバイオイノベーションの拡大へ

セルトリオンのオープンイノベーション戦略は、自社の中長期パイプラインの強化とバイオ産業エコシステムの持続可能な成長という2つの方向性で展開されています。具体的な協力の成果から分かるように、大企業とスタートアップの共存共栄は、イノベーションのスピードを上げ、リスクを分散させる効果的な方法であると考えられます。

もはや閉鎖的な研究開発だけではバイオ産業の成果が出せない時代となっています。セルトリオンは、韓国で多くのスタートアップとオープンイノベーション・エコシステムを構築してきた経験に基づき、日本をはじめとする世界中の革新的なパートナーと共に、グローバルバイオエコシステムの発展に貢献してまいります。

お問い合わせ先

会社名 : 株式会社 セルトリオン(Celltrion, Inc.)
ご担当 : シン・ハクソプ
日本プロジェクトマネージャー(オープンイノベーション部)
E-mail : haksub.shin@celltrion.com 
TEL    : (+82)-32-420-2223
住 所  :〒22014 大韓民国 仁川広域市 延寿区 アカデミー路79番ギル 12

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