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イベントレポート

第18回 LINK-Jネットワーキング・ナイト「AIとICTが変える ライフサイエンス企業と 医師・患者のリレーション」を開催(7/30)

18回目となるLINK-Jネットワーキング・ナイト「AIICTが変える ライフサイエンス企業と 医師・患者のリレーション」を730日に開催いたしました。
今回のイベントは、AIICTの観点から医師と患者のリレーションについて、セミナーおよびパネルディスカッションを行い、120名近くの方にご参加いただきました。

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登壇者:
高木悠造(エムスリー株式会社 AI Lab所長)
河野理愛(コグニティ株式会社 代表取締役)
伊東学(株式会社日本エンブレース 代表取締役兼CEO

モデレーター
上前田直樹(グローバル・ブレイン株式会社 Partner in charge of AI & Cyber Security

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エムスリー株式会社のAI Lab所長の高木悠造氏よりAI医療機器市場の現状、プロセスや課題、解決に向けた取り組みについてご講演いただきました。
同社は、2010年ごろから先端医療に対する事業を促進し、臨床現場で利用するAI製品を市場に出すためのトータルサポートを展開しています。
AI医療機器の市場規模は約500億程度といわれます。この市場にAIベンチャー、院内システムベンダー、医療機器ベンダーなど様々なプレイヤーが参入しています。AIを用いた診断支援ソフトの導入に対して、病院側に臨床現場の負担軽減や見落とし防止、コストの軽減などにニーズがあることが示されました。
AI医療機器開発においては4つの課題があり、データ収集の問題やAI技術、薬事申請やマネタイズに対して、同社のソリューションも示されました。
「アルゴリズムを世界中から集め、PACSなど院内システムやモダリティを問わずにつながるプラットフォームづくりを進めています。また、データ収集支援やハードを含めたコンサルティングなど、プレイヤーを増やす試みも行っています」と高木氏は解説します。
海外からのAI技術の輸入、国内への販売なども進行中で、ステークホルダー全員がwin-winになる販売の仕組みを作っていきたいと述べられました。

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次に、コグニティ株式会社の河野理愛氏より、同社のコア技術となる「CogStructure」およびコミュニケーションを定量評価するための解析サービス「UpSighter」をご紹介いただきました。
2013年よりR&Dを続けている「CogStructure」は、認知言語学者 Stephen Toulmin が提唱した論理モデルをベースとして開発された技術で、ブレーンストーミングなど会話情報から構成を分類し、思考を表すための知識表現フレームワークです。
この技術を用いて、コミュニケーションを起因とした経営課題を解決するためのサービスとして、「UpSighter」を提供しています。
このサービスについて河野氏は、「営業トーク、プレゼンテーション、面談やチーム内の会議など、数値化が難しく比較しにくいものを、見える化し、指導コストを削減します」と説明されました。ユーザは音声データをアップロードするだけで、比較結果をグラフや数値で確認することができ、各々のトークに対して、改善点を指摘するような客観的評価も得ることができるといいます。
既に70社以上に導入されており、一事例として「製薬企業のMRへの教育導入例」をご紹介いただきました。MRの研修に対して、30名の音声データを解析し、これまで見えにくかった成果や指導員の工数増大の問題に取り組みました。その結果、年間1000時間(18%の改善)を削減することができたことを示されました。

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講演の最後は、株式会社日本エンブレースの伊東学氏より、同社のサービスおよびヘルステック事業のための条件についてご説明いただきました。
MedicalCareSTATION」(以下MCS)はいわば医療版のSNS。患者を中心として、医師や看護師、薬剤師やヘルパーを含めたプライベートな会話を無料でやり取りすることができます。全国の診療所など3万施設に導入済みで、医療関係者7万ユーザに普及されているといいます。伊東氏はこのサービスについて、「多職種連携の真の姿であり、地域包括ケアがここにある」とPRされました。
後半は「地域包括ケア時代のヘルステック事業の作り方」として、事業の条件として7つの項目を定義されました。「MCSを使うことで、7万のユーザにリーチできるため、この基板上に、治療支援アプリや医薬品などのメディカルアプローチが可能になる」と、ヘルスケアアプリが医薬品と同じような影響を及ぼす事例なども述べられました。

ヘルスケアサービスには協力協業者が不可欠

パネルディスカッションでは、グローバル・ブレイン株式会社の上前田氏をモデレーターとして、会場から質問に対して、各登壇者にご回答いただきながら議論を展開しました。

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Q: データを効率的に集めるにはどのような方法があるでしょうか?

河野氏:弊社としては現在の事業が成り立っていることだと思います。製品を購入していただき、データも集められるという仕組みです。
伊東:ビッグデータビジネスという言葉は安易に語られることが多く、当社は医療インフラを担う者として、軽々しくそうしたビジネスを始めることはしません。医師や関連ステークホルダーのコンセンサスを取りながら慎重にすすめていきたいです。
高木:地道な作業でデータを集めることが必要です。

Q:医療機関や製薬企業などと一緒に協業する上で苦労されている点、注意されていることはありますか。

伊東:医療現場側の当事者意識を持つことが大切だと考えています。ICTの立場だからというのではなく、一緒に現場に行き、医師の側に立つことが事業を続けられている理由です。
河野:新しい技術に積極的な企業が多い業界だと感じています。時代を切り拓く影響力を持っている分野だと思います。
高木:市場調査などインタビューをしっかりとすることが大切だと考えています。

Q:医療現場でAIが普及する度合いはどうでしょうか。クリティカルな要因はありますか。

高木:社会の受け入れ態勢にどのくらいかかるかで普及のスピードが違うと思います。AI医療機器に今ある不安が払拭される必要があると思っています。
伊東:画像診断などは進むと思いますが、現在の人工知能の仕掛けでどこまで普及するかは疑問もあります。慎重かつ段階的に進むのではと考えています。期待もしています。
河野:大企業が多いために全体普及が難しいのではと感じています。

Q:海外市場への展開と今後の抱負について

伊東:グローバルに展開していきたいです。日本は皆保険制度と超高齢化社会の課題先進国と言われることがアドバンテージです。今後も医療っぽいイメージに陥らない世界観を広げていきたいです。
河野:外国語でも解析できるよう初期の事業から取り組んでいます。今年、海外展開を踏み出す予定です。今後も事業を拡大していくことを検討しており、一緒に協力してくれる方を募集しています。
高木:既に海外展開をしており、輸入などでサービスを広げています。今後は医療を良くしていきたいと考えており、特に医師の軽減。結果的に患者に還元される、そういう社会を目指していきたいです。

講演後は恒例のネットワーキングを開催し、大変盛況のうちに閉会いたしました。同イベントでは過去最高の参加者数となり、多くの方にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。


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次回は、10/24に第二回健康医療ベンチャー大賞の受賞者および慶應義塾大学の坪田先生、岡野先生をお呼びしたネットワーキング・ナイトを予定しています。詳細はLINK-Jホームページでの告知をお待ちください。

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