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イベントレポート

Oxford Evening Vol. 6「Oxford, Cambridgeのスタートアップにて、大学発の研究テーマを企業技術に発展させてきたエキスパートからの本音」を開催(11/17)

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2021年11月17日(水)にLINK-J - Oxentia 共同開催プログラムとして、Oxford Evening Series Vol. 6 「Oxford, Cambridgeのスタートアップにて、大学発の研究テーマを企業技術に発展させてきたエキスパートからの本音」をライブ配信いたしました。

これまで本シリーズでは、過去5回に渡り、エコシステム、オープンイノベーション、IP戦略、社内ベンチャー加速化、日本のスタートアップの英国進出事例など、毎回ユニークなテーマを選りすぐり、第一線の専門家から講演頂き、活発なパネルディスカッションを行ってきました。
ご登壇者のDr. Filipa Soares は、CambridgeのスタートアップDefiniGENではiPS細胞からの分化誘導プラットフォーム技術の最適化を、OxfordのスタートアップIVY Farmでは細胞増殖の技術を応用した培養肉 (cultivated meat) の事業展開に挑戦しており、今回はIVY Farmでのお話を中心に伺いました。

スクリーンショット (802).png

【登壇者】
Dr. Filipa Soares (VP Research and Development, IVY Farm)
松永 昌之 氏 (Senior Consultant, Oxentia 、LINK-Jサポーター)
曽山 明彦(LINK-J常務理事)

【講演】

IVY Farmは、オックスフォード大学で開発された細胞培養の新しい技術を使って、挽肉を製造しています。これにより屠殺が減少し、遺伝子組み換えや抗生物質を使用せずにおいしくて持続可能な肉を作ることができます。

Dr. Filipa Soaresは" Successful startups from Oxford ecosystems" と題し、成功するスタートアップの共通項について下記のとおりであるとお話しいただきました。

 1. Problem - 解決が必要な課題の特定
 2. Market - 市場の大きさを確認
 3. Solution - 明確なビジョンと解決策をもって臨む
 4. Team - 素晴らしいチームの組成と職場環境

同社が考える課題は、現在の食料(フード)システムにはサステナビリティがない点であると主張します。具体的には下記のデータに触れられ、食料システムは転換点にあると述べられました。
 ・世界の温室効果ガス排出量の50%以上が人類の食料システムや畜産業に起因
 ・2050年には世界の総人口は100億に及び、肉の消費量が70%増加する見込

その解決策として、同社の培養肉の技術についてご説明いただきました。
 ・豚などを屠殺することなく、幹細胞を採取
 ・Oxford大学が特許を取得し、IVY Farmがライセンスを受けている細胞の大量培養技術により、商業量産に適した生産プラットフォームを開発(培地等にも動物由来成分を一切含まない点等も特徴)
 ・最適化された培養系において、最終的に筋肉、脂肪を培養。ソーセージやミートボール、ハンバーガーなどの完成品にするため、挽肉を加工。

これにより、肉本来の味を罪悪感なく楽しむことができると述べられました。

その後のパネルディスカッションでは、「大学の研究を商業化するには」、「多様な人材の集め方」をトピックに活発な議論が展開されました。最後に女性の起業家への熱いメッセージでディスカッションを終え、その後のネットワーキングタイムでも、培養肉にご関心のある方をはじめ、多くの方にご参加いただき盛会となりました。

イベントにご参加の皆様、ご登壇者の皆様、誠にありがとうございました。
今後もOxford Eveningシリーズを継続的に開催していきます。
皆様のご参加をお待ちしております。

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