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イベントレポート

「デジタルヘルス・スタートアップ Webinars Vol.4 JHeC特集」を開催(3/2)

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2022年3月2日(水)、LINK-Jは「デジタルヘルス・スタートアップ Webinars Vol. 4 JHeC特集」をオンライン形式にて開催しました。本シリーズでは、今後の医療やヘルスケアに求められる新たな価値や質の向上、医療アクセスの向上、業務の効率化などに挑戦しているデジタルヘルス領域のスタートアップに登壇していただき、取組内容や目指している未来を語っていただくことを目的としています。
今回は2022年1月に開催された、ジャパン・ヘルスケア・ビジネス・コンテスト(JHeC)のファイナリストの中から三社をお招きし、お話を伺いました。
オープニングでは経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 課長補佐の高橋 久美子氏よりJHeCについてご説明いただいた後、ビジネスコンテスト部門でグランプリを受賞した、株式会社 Raise the Flag.の中村 猛代表取締役をはじめ、ビジネスコンテスト部門で優秀賞を受賞した、株式会社iMed Technologiesの河野 健一代表取締役CEO、TXP Medical株式会社の園生 智弘代表取締役に現在の取組と今後の展望を語っていただきました。
本イベントは397名の方より視聴申し込みがあり、大変ご好評いただきました。
アーカイブ動画の視聴をご希望の方は、こちらよりご登録をお願いいたします。(お申込期限:2023年3月3日(金))

デジタルヘルスWebinar_0302_Peatix_v2.png
※画像をクリックすると、アーカイブ動画お申込フォームが開きます

登壇者
加藤 浩晃 氏(アイリス株式会社 共同創業者・取締役副社長CSO、医師、LINK-Jサポーター)  
高橋久美子 氏(経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 課長補佐)
中村 猛 氏(株式会社Raise the Flag 代表取締役)
河野 健一 氏(株式会社iMed Technologies 代表取締役CEO)
園生 智弘 氏(TXP Medical株式会社 代表取締役医師)
曽山 明彦(LINK-J常務理事)

soyama_kato.png冒頭、LINK-J曽山とLINK-Jサポーターの加藤氏より本イベントの趣旨と挨拶をさせていただきました。

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「JHeCについて」
高橋久美子 氏(経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 課長補佐)

引き続き高橋氏より、JHeCの概要についてお話いただきました。
ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(Japan Healthcare Business Contest(略称:JHeC))とは、ヘルスケア分野の社会的課題の解決に挑戦する優れた団体・企業等を表彰する、経済産業省主催のビジネスコンテストです。
今年1月に開催された、第7回目のJHeCでは、140社の応募があり、書類審査・プレゼン審査の結果に基づき、各賞の受賞者が決定しました。
高橋氏は、ヘルスケア業界に携わるプレーヤーによる多様なソリューションのプレゼンを通して、今後もそのような取り組みを行なう団体・企業を後押ししていけるよう、主催者としてJHeCを運営していきたいと述べられました。

nakamura.png「「視えない」を「わかる」にシフトする。視力に代わる感覚デバイス「SYN+(シンプラス)」開発」
中村 猛 氏(株式会社Raise the Flag. 代表取締役)

株式会社Raise the Flag.は「視覚障がいの世界を変える!」をミッションに、視覚に障がいがある方向けのプロダクトとして、水の量と色がわかる「みずいろクリップ」など製品開発を行なっています。
今回は、世界中で何のソリューションもない、全盲から強弱視の方々に向けた感覚デバイス「SYN+(シンプラス)」についてご紹介いただきました。

搭載機能は7つあり、下記のとおりです。
・周囲の空間の状況が感覚的にわかる
・視線先対象物の形や大きさが正確にわかる
・視線先対象物の色がわかる
・テキストの読み上げができる
・サポーターと視野の共有+会話ができる
・特定のタグの読み上げができる
・録画機能・再生機能

本デバイスは、視力を取り戻したり、装着により見えたりするようになるものではなく、骨伝導スピーカーの音を振動に変換することで、感覚的に物の位置を認識し、目の前に何があるのかを把握することができるデバイスです。シンプラスを使用して、全盲の方が朝から晩まで一人で単独行動を行なうなど、実証実験に成功しています。

imed.png「脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI
河野 健一 氏(株式会社iMed Technologies 代表取締役CEO)

株式会社 iMed Technologiesは、脳梗塞・くも膜下出血に対する安全な手術を実現するため、豊富な医療データと最先端の機械学習や動画解析を活用し、脳血管内手術のリアルタイム手術支援AIを開発しています。
脳血管内手術を行う際には、複数の画面で複数部位を同時に見ながら、カテーテルやワイヤーなどを用いた繊細な操作が求められています。
術者には常に高度な注意力が求められており、わずかな操作の遅れやずれが重篤な事故につながります。河野氏は、脳神経外科医師として16年間手術を行う中、現場で経験してきたこの課題を解決するためのソリューションとして、手術現場におけるアラート機能の必要性を感じたことから、ディープラーニングを用いた手術支援AIの開発に着手されました。
AIの活用により、ヒューマンエラーを回避し、より安全な手術が可能になります。医師をテクノロジーによって支援するプロダクトを開発することで、医療の安全性をさらに高めることを目指していると述べられました。

txmedical.png

「地域と病院を巻き込んだ救急ITプロジェクトの最前線」
園生 智弘 氏(TXP Medical株式会社 代表取締役医師)

TXP Medicalは下記事業を行なうスタートアップ企業です。
・救急・集中治療・救急隊向けの医療データシステム (NEXT Stage ERシリーズ)の開発と提供
・がん診療支援研究データシステム(NEXT Stage Oncology)の開発と提供
・医療AI技術の開発と提供
・医療データプラットフォームの構築、リアルワールドデータの解析
・臨床研究支援事業
・医療機関に対する経営支援及びコンサルティング事業

今回はこの中から、救急・集中治療・救急隊向けの医療データシステム (NEXT Stage ERシリーズ)をご紹介いただきました。NEXT Stage ERは、大病院向けサービスで、救急現場と病院間の患者情報伝達のDX化により、救急搬送困難という問題に示される、医療データ分断の課題を解決します。

病院で使用している電子カルテと救急隊が使用している自治体のシステムは相互にアクセスができないため、患者に関する医療データが分断されています。救急隊と病院の間で行われている既存の紙ベース・電話ベースでの情報のバケツリレーでは、正確な患者情報の把握ができず、非効率です。また搬送先が決定するまで、状況説明を繰り返し行う必要があります。
同サービスの高精度の音声入力や、生体情報モニターやお薬手帳、免許証・保険証のOCR機能を組み合わせたシステムの利用により、効率よく医療データを集約することができます。
また救急隊の入力内容が簡単に病院へ共有でき、病院と救急隊の持つデータを同社システムで一体とすることで、患者情報伝達や救急搬送先決定にかかる時間削減を可能とし、また医療データの集約により、医療の質を上げることに繋がります。
製薬企業向けのサービスにも触れられ、講演を終えられました。

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講演の後には活発なディスカッションが行われました。

イベントにご参加の皆様、ご登壇者の皆様、誠にありがとうございました。
なお、今回のウェビナーについては、LINK-JのYouTubeチャンネルにて限定公開いたしますので、視聴のお申し込みをこちらよりよろしくお願いいたします。
ぜひご覧いただき、YouTubeチャンネルのご登録もお願いいたします。
今後もデジタルヘルス・スタートアップ Webinarsを継続的に開催していきます。
皆様のご参加をお待ちしております。

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