Menu

イベントレポート

「ライフサイエンス・ヘルスケアベンチャーの事業化の一歩手前に必要なもの」を開催(7/8)

  • twitter
  • Facebook
  • LINE

202178日(木)、LINK-Jは「ライフサイエンス・ヘルスケアベンチャーの事業化の一歩手前に必要なもの」をオンラインにて開催しました。本イベントは、LINK-Jネットワーキング・トークの第12回目として、今回は技術系ベンチャーの事業成功の秘訣をテーマに、ライフサイエンス・ヘルスケア分野において、起業・事業化に取り組む際、良いスタートを切る上で特に気を付けておくべきこと、必要なことについて製薬企業・弁理士・VCの皆様にそれぞれの視点からご講演頂きました。

(※画像をクリックすると動画がご覧いただけます)

【登壇者】
宇佐美 篤 氏(LINK-Jサポーター、株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ 取締役・パートナー)
岸田 将人 氏 (アステラス製薬 Head, Human Genetics Research Unit、保健学博士、MBA)
大門 良仁 氏 (メディップコンサルティング合同会社 代表社員、弁理士、東北大学オープンイノベーション戦略機構 特任教授)
小林 宏彰 氏 (株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ プリンシパル、医師)

kishida.png

「製薬企業からみた協業の一歩手前に必要なもの」
岸田 将人 氏 (アステラス製薬 Head, Human Genetics Research Unit、保健学博士、MBA)

岸田氏からは、製薬企業と提携や協業(パートナーシップ)を締結するまでのプロセスや、製薬企業に「刺さる」提案とはどのようなものかについてご紹介いただきました。
岸田氏は、アステラス製薬で事業開発に従事され、以前のバイオベンチャーでのご経験から、バイサイド、セルサイド双方の視点でご講演いただきました。
例えば、製薬企業に年間1,000件以上の提案がある場合、おおよその確立としてCDAを締結するケースは1/10以下、契約に至る事例は5~10件程度であるといいます。初回の資料提示からCDA締結のところに最初の壁があると指摘され、それを克服する3つのポイント(戦略、タイミング、人)について解説されました。
製薬会社との戦略合致については、「Area of interest」としてウェブサイト等に公開されており、戦略合致やタイミング、相手の担当者の立場に立って考えることをアドバイスいただきました。

daimon.png

「知財・ベンチャー支援の立場から見た事業化の一歩手前に必要なもの」
大門 良仁 氏 (メディップコンサルティング合同会社 代表社員、弁理士、東北大学オープンイノベーション戦略機構 特任教授)

続いて、創薬系スタートアップの知財戦略の考え方についてご講演いただきました。
大門氏は冒頭に「知財戦略と資本政策は後戻りできない」という言葉を示され、創業時から知財に関する戦略を立てていくことの重要性と、医薬品の特許で中心となる2つの知財について具体例とともにご紹介いただきました。
重要な2つの知財のうち、一つはプラットフォーム知財(会社の基盤技術を守る知財)であり、もう一つは製品パイプラインの知財(物質特許や用途特許)です。
プラットフォーム知財は、例えば製法などに該当し、製薬企業との共同研究の際にも魅力を伝えるために必要な特許ではあるが、戦略的に大切なのは、パイプライン知財となる医薬品の有効成分(物)、または添付文書に記載される情報(用途)に価値があると強調されました。

kobayashi.png

「事業化の一歩手前のVCによる支援プログラム事例」
小林 宏彰 氏 (株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ プリンシパル、医師)

小林氏からは、会社概要をご紹介いただいた後、VCが提供している事業化への支援についてご講演いただきました。
日本のVC業界はここ10年でスタートアップへの投資額、ファンド数、ファンド規模が増加・増大しており、資金調達環境の改善に加え、スタートアップがVCから受けられる支援内容も多岐に渡ってきました。その背景としてVC間の競争があり、各VCが支援リソースを拡充しているとし、UTECの起業前支援として、「UTEC Startup Opportunity Club (SOC):経営者候補ネットワーク」、「Venture Partner制度:スタートアップを支援する専門家集団」、「UTEC HRチーム:投資先HR支援に特化したチーム」について、ご紹介いただきました。
最後に起業時には多方面の情報収集が大切であることから、事業化を考えている場合は、早めの段階で複数のVCに相談することをお勧めするというお言葉でご講演を終えられました。

Panel.png

講演の後に行われたパネルディスカッションでは、LINK-JサポーターでありUTECの宇佐美氏に司会進行いただきました。宇佐美氏からは、
「スタートアップの大きな失敗について参考事例」
「成長している、優秀なスタートアップの特徴とは?」
「ここ5年から10年での変化。こういうものがあればスタートアップ界隈が活性化するというものはあるか?」といった議題が投げかけられました。

岸田氏は、2000年ごろからバイオベンチャーに関わられていた経験を活かし、製薬企業の立場でお話しいただき、大門氏は知財やリーガル分野の方々の視点から、小林氏にはVCの観点から、それぞれ大変貴重な、有用なご意見をご発言され、その後も活発な質疑応答、ネットワーキングタイムが行われました。

ご視聴いただいた皆様誠にありがとうございました。今後もLINK-Jネットワーキング・トークへのご参加をお待ちしております。

pagetop