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イベントレポート

「細胞とともに描く未来~細胞培養は世界をどう変えるか~LINK-J×LINK-J会員のタイアップイベント 」を開催(9/15)

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2022915日(木)、日本橋ライフサイエンスハブとオンラインにて、細胞培養に携わる方々を対象に、細胞培養の基礎から最新のトピックスをご紹介するセミナーを開催いたしました。(主催:LINK-J、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)

※本イベントはサーモフィッシャーサイエンティフィック社によるタイアップ企画として実施されました。

LINK-JYouTubeチャンネルでアーカイブ動画を公開しています。是非ご登録の上ご覧ください。(視聴申込期限 2023年9月15日まで)

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冒頭にはサーモフィッシャーサイエンティフィック社の立川健太郎氏よりご挨拶いただき、Gibcoブランドが60周年を迎えたことを紹介されました。
講演パートでは、同社の白神博氏より細胞培養の基礎技術について解説頂き、続いて、長船健二教授(京都大学iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門)より、iPS細胞を用いた再生医療と新規治療薬の開発について先生の研究内容についてご講演頂きました。

細胞培養の基礎技術紹介

白神 博(サーモフィッシャーサイエンティフィック ライフテクノロジーズジャパン株式会社 テクニカルサポート部 スーパーバイザー)

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白神氏は、バイオ実験で行う細胞培養の操作上の注意点をはじめ、培地や薬剤選択の際の抗生物質の使い方、凍結保存の方法まで、基礎的なポイントを中心に大変わかりやすく解説頂きました。

【ご説明頂いたポイント】

  • 細胞培養で大切なこと
  • 細胞の継代
  • 継代の操作と注意点
  • 基礎培地の構成成分
  • 簡単に培地を検索
  • 細胞培養のリスク:コンタミネーション
  • 抗生物質・抗真菌剤
  • 細胞選択薬剤・抗生物質
  • 培養の凍結保存
  • 細胞の凍結保存のポイント
  • Invitrogen™ Lipofectamine™ 3000Transfection Reagent
  • Lipofectamine™ 3000Transfection Reagent良好な導入
  • カチオン性脂質遺伝子導入試薬使用における成功要因
  • トランスフェクションのコントロール導入効率の算定方法
  • 遺伝子導入のための試薬ガイド

同社のサイトでは細胞培養基礎ハンドブック(日本語)最新版を配布しており、PDFにて入手することができますので、是非ご活用ください。

iPS細胞を用いた腎、膵、肝疾患に対する再生医療と新規治療薬の開発

長船 健二(京都大学iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 教授)

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長船先生は、慢性腎臓病(CKD)、糖尿病、肝硬変などの難治性腎、膵、肝疾患に対して、iPS細胞を用いた再生医療の技術を用い、移植に提供できる薬としての細胞および移植用臓器の作製と新しい治療薬の開発を研究されています。

長船研究室では次世代型のiPS細胞として、エピゾーマルベクターを用いて安全性を高め、HLAをノックアウトし、NK細胞からの攻撃を逃れるような抵抗原性iPS細胞を開発されています。これによって免疫抑制剤を減らした治療を目指します。さらに、疾患特異的iPS細胞をつくり、疾患モデルとして培養皿上での病気の再現方法や、腎臓の再生に関して、三次元の腎臓組織を再生し、透析患者さんへの提供を目指します。

腎疾患に対する研究では、iPS細胞からネフロン前駆細胞(iNPC)とネフロンオルガノイドの分化誘導法、iPS細胞から尿管芽と集合管前駆細胞の分化誘導法を開発されました。

ネフロン前駆細胞(iNPC)を腎被膜下へ投与し、細胞療法を行うことで、移植慢性腎臓病(CKD)の進行を抑制することができると考えられており、専用デバイスを用いた腎被膜下への細胞移植法を検討しています。腎臓に多数の嚢胞(内部に液体を貯留した袋)が形成され、透析を必要とする末期慢性腎不全となる難治性の病気、腎疾患常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)の腎嚢胞モデルを作製することに成功し、疾患モデルとして新規治療薬の探索が期待されます。

糖尿病研究では、iPS細胞から膵β細胞への分化誘導法を開発され、膵臓移植、膵島移植によって糖尿病治療を目指します。iPS細胞由来の膵前駆細胞を増殖させる低分子化合物の探索に関しても取り組まれ、2型糖尿病の新規の候補化合物を見出されています。

肝硬変に対する細胞療法の開発では、独自の肝細胞大量作製法を開発され、薬剤誘発性の肝硬変カニクイザルモデルを樹立。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対する創薬研究として、NASHにおける繊維化を抑制する薬剤を探索されています。

【研究内容のまとめ】

  • iPS細胞から腎、膵、肝細胞や組織(オルガノイド)の分化誘導法を開発した
  • iPS細胞を用いてCKD1型糖尿病、肝硬変に対する細胞療法が開発できる可能性がある
  • iPS細胞を用いてADPKD2型糖尿病、NASHに対する創薬
    スクリーニング系を開発できる可能性がある

名刺交換会

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当日はリアルとオンライン含め493名の方にご参加頂きまして、多数ご質問も頂きました。当日は会場内で展示も行いました。ご視聴、ご来場いただいた皆様誠にありがとうございました。

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