Menu

イベントレポート

「大阪大学社会実装をめざす先端研究シリーズ第1弾 「大阪大学免疫・感染症研究の社会実装について」」を開催(3/11)

  • twitter
  • Facebook
  • LINE

2022年3月11 日(金)、オンラインにて「大阪大学社会実装をめざす先端研究シリーズ第1弾 『大阪大学免疫・感染症研究の社会実装について』」を開催いたしました。(主催:LINK-J

【アーカイブ動画】

なお、本シリーズの第二弾として「大阪大学社会実装をめざす先端研究シリーズ第2弾 「大阪大学免疫・がん免疫研究の社会実装について」」を413日()にオンライン開催いたします(イベント詳細はこちら)。ぜひご参加ください。

冒頭ではLINK-J事務局長 兼 三井不動産株式会社 ライフサイエンス・イノベーション推進部長の三枝寛より本イベントの趣旨と簡単なLINK-Jの説明をおこないました。

免疫研究と臨床応用

キャプチャ1.PNG

初めに基調講演として大阪大学大学院医学系研究科 研究科長・医学部長、教授の熊ノ郷 淳先生よりイントロダクションとして「免疫研究と臨床応用」について講演いただきました。免疫の基本的な考え方やワクチンのはたらき、これまでの歴史とmRNAワクチンについても体系的にわかりやすく解説していただきました。

感染症対策と産学連携

キャプチャ2.PNG

続いて大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学の忽那賢志先生より「感染症対策と産学連携」と題し、感染症対策のまとめと今後の産学連携に向けた展望を講演いただきました。産学連携が必要な領域として挙げられるのは「個人防護具」と「エアロゾル感染」だと述べ、また現在の接触感染の対策への疑問点も挙げられました。
「コロナの影響は大きく、まだ課題はたくさん残っている状況。企業の皆様と協力して解決していければ」と訴えました。

新型コロナウイルスに対する抗体応答

キャプチャ3.PNG

続いて大阪大学 微生物病研究所・免疫学フロンティア研究センター 教授の荒瀬尚先生より「新型コロナウイルスに対する抗体応答」と題し、新型コロナウイルス感染症に関わる中和抗体についての研究とその成果について発表いただきました。荒瀬先生の研究発表では、新型コロナウイルスに感染すると抗体によってウイルス分子自体の機能が増強することを示されました(感染増強抗体)。また、オミクロン株では、ほとんどの抗体認識を逃れてしまう課題を述べ、T細胞と抗体の長所を生かしたワクチン開発の展望を述べました。

将来発生するSARS類縁ウイルスに有益なワクチン開発

キャプチャ4.PNG

最後に大阪大学免疫学フロンティア研究センター副拠点長の黒﨑知博先生より「将来発生するSARS類縁ウイルスに有益なワクチン開発」と題し、現在黒﨑先生が研究している免疫のメカニズムを利用したワクチンの開発方法と、将来的に発生すると予想される新型コロナSARS類縁ウイルスに対する効果的なワクチン開発への展望を発表しました。
黒﨑先生は改変したスパイクタンパク質レセプター結合領域(RBD)が、SARS類縁ウイルスに対しても防御効果を発揮することを確認し、 bn-mAbとRBDとの結合部位の構造についてクライオ電顕を用いて明らかにすることで、多様なウイルスに有効なワクチン開発が可能になると述べました。

パネルディスカッション

キャプチャ5.PNGのサムネイル画像

後半は熊ノ郷先生をモデレーターとし、3人の先生方とパネルディスカッションをおこないました。
視聴者からの質問をもとに「無症状のコロナ感染者の感染性について」「今後のワクチン開発について」等について意見を交わしました。
熊ノ郷先生と忽那先生から「医学として正しいエビデンスに基づいたコロナ対策を企業の方と連携して進めていきたい」
と締めました。

本イベントはオンラインで約200名の方にご視聴頂きました。
ご視聴いただいた皆様誠にありがとうございました。
第二弾「大阪大学社会実装をめざす先端研究シリーズ第2弾 『大阪大学免疫・がん免疫研究の社会実装について』」もぜひご参加ください。

pagetop