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イベントレポート

「東京大学発スタートアップの最前線-South by Southwest(SXSW)への挑戦-」を開催(4/21)

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4月21日(火)、YouTubeにて「東京大学発スタートアップの最前線-South by Southwest(SXSW)への挑戦-」をライブ配信いたしました(主催:LINK-J)。
本イベントでは、国内大学最多のベンチャー創出数を誇る東京大学発スタートアップ創出の取組みのご紹介と、Todai To Texas(TTT)2020に参加し、3月のSXSWに出展予定であったスタートアップ4チームの事業をご紹介いただきました。

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東京大学のスタートアップ創出の取り組み

はじめに、菅原 岳人 氏(東京大学 産学協創推進本部 イノベーション推進部 ディレクター(インキュベーション / アントレプレナーシップ教育))より、東京大学のスタートアップ創出の取組みをご紹介いただきました。
東京大学ではスタートアップの成長を目的として、インキュベーション支援拠点の拡張や人材育成・プロジェクト支援に注力しており、大きなプラットフォームが形成されています。

施設面の支援については、10年前はインキュベーション施設が2拠点ほどしかありませんでしたが、現在では「アントレプレナープラザ」(本郷)、「アントレプレナーラボ」(本郷)、「アントレプレナーハブ」(柏)、「駒場インキュベーションルーム」と拡張してきました。またインキュベーション施設以外にも「本郷テックガレージ」(学生を対象にプロジェクト支援プログラムを提供)、「Found X」(卒業生も対象とするアクセラレーションプログラムを提供)と充実してきています。アントレプレナープラザ・アントレプレナーラボ・アントレプレナーハブでは、P2実験を行えるウェットラボを備えており、施設面以外の支援は、大学関連の投資機関である東大IPC・UTEC、ライセンス機関である東大TLOと連携して行っています。

人材育成・プロジェクト支援については、本郷テックガレージという学生専用プロジェクト支援スペースを設けています。こちらはオフキャンパスで起業を目的とせず、学生の開発プロジェクトについて開発場所と開発資金を提供するプログラムです。普段の「研究」とは異なるプロダクトを開発可能で、ハードウェア/ソフトウェアどちらも開発可能です。今回のTTT採択チームの多くが本郷テックガレージで開発をスタートしました。
また、アントレプレナー道場というスタートアップに関する基礎講座も毎年開講しており、2005年から累計4000名以上が参加しています。
上記に加えてTodai To Texas(TTT)など人材育成・プロジェクト支援のための多彩なプログラムを用意しています。

これらのプラットフォームを活用し、ビジネスになる前のプロジェクトと人材を育成し、マネタイズできそうなプロジェクトをインキュベーション支援のステージに上げていく、このような創出の仕組みになっています。
各施設各プログラムを継続的なコミュニティとして運用するため、各プロジェクト・人材のタイミングにあったトランジションを可能にするため、これほどまでにプログラムを細分化して運用しています。

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TTT・SXSWの紹介

続いて、下川 俊成 氏(Co-Founder / Organizer of Todai to Texas)より、TTTとSXSWについてご紹介いただきました。
TTTとは、東京大学発の技術系スタートアップ(ベンチャー企業)が、米国テキサス州で行われるSXSWに派遣され、世界に挑戦するプロジェクトです。
SXSWは毎年3月にテキサス州オースティンにて開催され、人口約100万人の都市に40万人もの参加者が集まる大規模な催しです。初めは音楽のイベントとしてスタートしたSXSWでしたが、現在では音楽・映画・テクノロジー業界が融合し、ライフサイエンスを含め様々なジャンルのセッションが行われています。
一日あたり数百を超える無数のセッションに、各界の第一線で活躍する有名人が登壇するSXSWは無名のスタートアップにとって最高のリリース場所です。
TTTは2013年にプロジェクトを開始し、7年目となる今年も6チームをオースティンに派遣する予定でしたが、コロナウイルスの影響でSXSW自体が史上初の開催中止となってしまいました。今回はそのうち、下記にご紹介する4チームにプレゼンテーションを行っていただきました。

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Syrinx 「失われた声を取り戻すデバイス」 竹内 雅樹 氏

Syrinxは新しい電気式人工喉頭デバイスの開発を行っています。
Syrinxのユーザーは、がんで喉頭を摘出して声を出せなくなった方で、世界では毎年30万人以上が声を失っている現状があります。日本でも2015年の1年間で5,505名が喉頭がんに罹患しています。
声を失った方は練習を行えば声を出すことができますが、非常に難しく声質も下がり、片手で喉を押さえないと喋れない方もいます。声を失い以前のように会話ができないことは患者さんの生活に大きな影響を与えます。手を使わずに喋ることができればと望む患者さんは少なくありません。Syrinxでは喉頭摘出者の支援団体と協力してデバイス開発、改良を行い、患者さんからも良いフィードバックを得ています。
従来のデバイス(EL)では、片手が塞がる不便さや単調でロボットのような音しか出ないといった短所があり、インターフェースは20年間もの長きにわたり改良が行われていません。一方でSyrinxはハンズフリーで使用でき、さらに音に工夫があるため、より一層人間に近い声を出すことができます。現在はさらなる改良を行っており、5年後に製品化・量産化を目指しています。声を失った方が何不自由なくコミュニケーションを取れる世の中を実現するため、活動を続けていきます。
Microsoft主催のImagineCupアジア大会で優勝し、5月には世界大会(オンライン)に出場予定です。
昨年9月に開催されたTTT2020 Demo DayではLINK-J賞を授与しています。
■Syrinx website:https://syrinx.community/

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Wearbo 「布製ウェアラブル文字入力デバイス」 篠田 和宏 氏

Wearboは、布製のバンドを腕に巻いて、その上を指でなぞって手書き入力ができるデバイスです。
スマートフォンを持って出掛けて困ることは無いかもしれませんが、ポケットの無い服を着た際や運動時にはスマートフォンを持っていると動きやすいとは言えません。
そこで、どこへ行くにも絶対に身につけている服に着目しました。スマートウォッチやARグラスに加えて、インターフェースを実装した服があれば、誰もがどこでもすぐにデバイスにアクセスでき、どこへ行くにしても手ぶらで全てを身につけていくことができるようになります。
スマートフォンの利用目的にはSNSやメッセージ送信など文字入力が必須です。ARグラスやスマートウォッチといったウェアラブルデバイスをスマホの代替として利用する際の課題として、文字入力の難しさが挙げられます。スマートウォッチは画面が小さく、スマートフォンのようなキーボードで入力することは難しいです。また、ARグラスはテンプルの部分を使って入力するものが提案されていますが、自然な姿勢ではなく腕がとても疲れてしまいます。さらに、音声での入力やジェスチャー、空中キーボードにはそれぞれ短所があります。
そこで、布でできており直感的に入力ができるウェアラブルデバイスWearboを開発しました。手書き入力とフリック入力が使用可能です。Bluetoothであらゆるデバイスに接続可能、最適なキー配置、伸縮性のある導電糸の使用など、随所に工夫がなされています。手書き&皮膚感覚フィードバックによって手元が見えなくても入力が可能で、入力速度が必要な時のためにフリック入力もできます。服の袖やシール、ズボン型デバイスの開発を進めています。
■Wearbo website:https://wearbo.com/

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Genkan 株式会社KOSKA 「IoTデータを用いた原価計算SaaS」 大森 友寛 氏

GenkanはIoTデータを用いた製造業の原価管理システムです。株式会社KOSKAはITの力で原価管理をより簡単に・正確に行うことを目指しており、特に製造業では複雑で時間的・金銭的コストが掛かる製造原価管理を行うことに注力しています。
製造現場の実態として、金額で見える化がされていないという課題があります。製造現場の実態把握の際に必要なプロセスは、データ取得・計算・分析の3つです。これらのプロセスにはそれぞれ壁があり、原価管理のためのデータ取得には「手作業のデータを作業者に負担なく取る」「一定のルールで常に記録し続ける」ことが壁となります。また、計算のプロセスには「最適なデータ計算ルール作成」「自動で計算するシステム構築」という壁が、分析については「膨大なデータの整理と取捨選択」「データに適した様々な分析」が壁となります。
GenkanはITの力でこれらの壁を解決します。IoTを利用して、「実績データの取得」「製品別実際原価計算」「原価分析」を自動で行い製造現場の実態を金額で見える化をするサービスです。 各プロセスについて工夫があり、データ取得のポイントは「作業員の負担を増やさない」「自動で情報取得」「統一ルールでの情報取得」ことであり、そのためにIoTを利用したカメラセンサー・重量センサーを活用しています。計算のポイントは「加工費にフォーカス」「統計データから原価を求める」「完璧をいきなり求めない」ことであり、計算後のデータ一覧をダッシュボードに表示して提供しています。分析のポイントは「IoTに適した原価分析」「ただ分析するだけではなく、定期的に議論をする」ことであり、IoTをやりっぱなしにせず、コンサルティングチームが介入しユーザーと月次で議論を行います。
最後に、既に導入された企業にて業務が改善した事例をご紹介いただきました。
■Genkan website https://www.koska.jp/

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Grubin 「"捨てる""から""育てる""へ アメリカミズアブを用いた次世代食品リサイクル」 川本 亮 氏

Grubinはアメリカミズアブの幼虫が持つ、生ゴミを高速で分解しタンパク質へと変える力を活用した生ゴミのリサイクル装置を開発しています。
アメリカミズアブの特長は3点あり、1.非常に速い生ごみの分解能力 2.成長した幼虫自身を飼料として販売でき、コンポストによる肥料生産よりも高収益を得られる 3.生活圏がヒトと被らず病気の媒介リスクが極めて低い、といった点が挙げられます。
「ミズアブと人間の共生」「食べ残しへの向き合い方をアップデート」を目指しており、生ごみを食べてタンパク質に変えるミズアブの働きを活用し、家庭で出た生ごみをその場で幼虫に分解させて、幼虫が飼料として魚やニワトリに食べられて食卓にまた戻る、という循環を生み出しています。プロダクトは2つあり、機能面重視の"Hungry Cube"とデザイン重視の"Hungry Flame"です。いずれも、世界で初めてミズアブを媒介としてその場で魚と野菜が育つプロダクトです。幼虫の一部は飼料として使われ魚が育つと同時に、一部はあえて成虫として残す構造を採用しており、幼虫が新たに生まれるため幼虫の追加が必要ありません。Hungry Flameには様々なデザインがあり、壁に掛けて生活に溶け込む形となっています。「生ゴミを捨てる」から、「生ゴミで育てる」に意識を変革するべく活動を続けています。
Grubinは今回のSXSWでイノベーションアワードのファイナリストに選出されています。
■Grubin website:https://www.grubin.jp/

Q&A、パネルディスカッション

プレゼンテーションに続いて、Q&A、パネルディスカッションが行われました。
※Q&Aセッションでは様々なご質問をいただき有難うございます。当日に回答しきれなかった分を記事下部に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

Q.コロナウイルスの影響でSXSWに出展できなくなったことが事業計画に影響しますか?
A.Syrinx:海外の方からのフィードバックをもらうことが叶わなくなりました。
Grubin:関連施設が閉鎖しており虫を育てる環境確保が難しくなっています。大勢の前で発表する機会が無くなったことは残念です。
菅原先生:スタートアップ支援を行う立場から言うと、大学系スタートアップでは財務的影響を受けたというよりも、研究開発のための人の出入りが制限されて研究開発が止まるという影響が最も大きいです。もう一つは資金調達がどうなるか分からないという影響があります。

Q.Genkanを製薬工場に導入した事例はありますか?
A.薬品工場への導入事例はあります。液充填、検査、ラベリング、梱包工程などの計測を行いました。

Q.菅原先生に質問です。世界に羽ばたくスタートアップを選出する際のポイントを教えてください。
A.課題の深さ、どれだけスケールするか、課題に対する解決策、を重視しています。また、計画以降の動きの良さを評価しています。プロトタイプを早く開発してユーザーヒアリングを行い、時間を掛けてサイクルを回し、スピード感をもってやれるかが重要です。
どれだけ良いプランを持っていても、エバリュエーションができるかというというのは大きな評価ポイントとしています。
また、今回のチームの皆さんのPOCを行う資金はサポーター企業様から提供いただいている資金を原資としております。資金集めを行い、その資金でプロジェクトを運用しています。

Q.Wearboは透明になることはありますか?
A. 導電性の糸は透明にはなりませんが、静電容量を使ってタッチを検知しているので、薄めの繊維を上にかぶせることであらゆるデザインに対応可能です。また、ブラインドでキーボードを打てるように、とありますが、ブラインド入力ができるように全く別のパターンのものを作成中です。

当日は470名以上の皆様にご視聴いただき有難うございました。
こちらにTTTのウェブサイトをリンクしています。 ウェブサイトURL:http://todaitotexas.com/
また今回のイベントにあわせて、TTT2020の特設サイトがオープンしました。

特設サイト.png

追加のご質問や、協業機会やアイディアがございましたら、是非下記までお問い合わせください!
https://2020.todaitotexas.com/

【皆様からのご質問と回答】

質問 菅原氏からの回答
4社の中で学生スタートアップはありますか? 4社とも学生が在学中に立ち上げたプロジェクトですが、法人化しているのはKOSKA1社。他3チームは未法人化の状態で開発している状態です。
皆さんの発案の動機を伺いたいです。 (wearbo)スマートウォッチで通知が見れるものの、返信するには結局スマートフォンを取り出さなければならないことに違和感を感じていました。それから数十年変わっていないQWERTY配列のキーボードは明らかにウェアラブルデバイスには相応しくないため、新たなウェアラブルデバイスのための標準となる文字入力デバイスが必要だと考えました。そこで、誰もが絶対に身につけている服をインターフェースにしてあらゆることができるようになれば、"全てを身につけてどこへいくにも手ぶらでいられる"のではないかと考えてwearboを発案しました。

(syrinx)銀鈴会という声帯を摘出し声が出なくなった方々との出会いがきっかけでした。彼らは健常者と同じような声で話したい、と仰っていて、作り始めました。現在もフィードバックを貰い一緒に開発を続けています。本当に銀鈴会の方々には飲みに連れていってもらい、楽しい話を聞かせてくださりなど、お世話になっているので、皆様が何不自由なく日常生活でコミュニケーションを取れる社会を作り恩返ししたいと考えています。
資金提供はミニマムいくら位からさせて頂けるものでしょうか。 スポンサーとしてご協力を検討いただけるということでしたら、ぜひ個別にご相談させてください!→ staff(アットマーク)todaitotexas.com
※アットマークを@に変えてメール送信してください
これらのスタートアップがPOCを行うための資金は東大から出ているのでしょうか? HP掲載のサポーター企業様から提供いただいている資金を原資としております。
ライフサイエンス分野に限らず、東大発のスタートアップは、どのような分野が多いのでしょうか。東大ならではの傾向や特性はありますか。 特徴的な傾向としては、大きな課題、大きな市場、深いテクノロジーです。またコンシューマよりエンタープライズ向けビジネスの割合が非常に大きいです。学内でインキュベーションしている企業の分野としては ITサービス > ライフサイエンス・ヘルスケア(医療機器含む) > ハードウェア・材料やエネルギー の順に多いと思いますが、ウェット実験が必要な企業からの多い事によるバイアスがかかった分布です。
スタートアップを支える立場として、コロナ禍によるスタートアップへの影響を感じていれば教えてください。 大学スタートアップ特有の事情ですと、バイオ実験が必要な会社やハードウェアを開発している会社は、一箇所に集まって長時間作業できない事による研究・開発の遅延が懸念され、長期化すると影響が出るかもしれません。
世界に羽ばたくようなスタートアップを選出するときに注目している点は何ですか?技術力、プレゼン力、情熱、将来性など、どんな点を重視して選出しているのでしょうか。 課題設定の鋭さ・大きさ・深さ、それに対する解決策のユニークさ、実行力。特に最後の点、よく手が動いてプロトタイプを開発し、すぐ足が動いて顧客ヒアリングをするチームは、SXSWのような場で成果を出し易いので評価しています。

質問 Syrinxからの回答
障がいのある方の支援機器開発補助金(厚労省)などもあります。ご参考まで。 ありがとうございます!法人化したら検討します。
素晴らしいデバイスだと思います。このデバイスを作ろうと思われたきっかけ、動機は何ですか? 銀鈴会という声帯を摘出し声がでなくなった方々との出会いがきっかけでした。彼らは健常者と同じような声で話したい、とおっしゃっていて、作り始めました。現在もフィードバックをもらって一緒に開発を続けています。
臨床試験の実施予定はございますか? 医療機器でなく福祉機器として販売しようと考えています。そのため発表では臨床試験を行うと述べましたが、実際には必要とする人へのβテストを行うことだけを考えていきます。
既に発売していますか? まだしていませんが、今後製品化を目指しています。
どんな声になるのですか?ウェブサイトで「機械学習のモデル」と書いてあったので、普通のELとどう違うのか興味があります。 まだ完全なる人の声の再現とまではいきませんが、風邪声くらいのクオリティは出せています。実際に使用している映像はこちらをご参照ください!
現状の形ですと、永久気管孔を塞いでしまう可能性があるように思いますが、いかがでしょうか。また、知財面ではどのように保護されていますか? 現在は気管孔を塞がない位置に振動子を当てております。特許など知財はまだ取れていません、現在検討しております。
Syrinxと気管孔との兼ね合いについて、また、頸部の筋構造が変化している状態に対して頸部のどの反応を音声とリンクさせているのでしょうか?教えてください。 気管孔を塞がない位置に振動子を当てています。また頸部の動きとリンクさせているのではなく、単に振動子を首に当てて振動をさせて、本来声帯で生み出す音を作っています。その振動音が口、舌の動きを介して声になっています。
このデバイスは咽頭摘出患者さん向けが本丸としても、エンターテインメントツールとしても開発・販売すると、ビジネス的に広がりがあったりしませんかね? その方向性も考えていないわけではないですが、まずは声帯を摘出した方が満足いくデバイスを作り、彼らが何不自由なく日常生活でコミュニケーションを取れるお手伝いをしたいと考えております。
最初の映像でお話された方は、自然に近い声に感じましたが、どのデバイスを使われていますか。 最初の方は食道発声法という器具を使わないで発声方法で話しています。しかし習得には1年以上の練習とそれをこなすだけの努力が必要です。また話せるようになっても元の音声からは程遠く、うるさい会場だと声がほとんど聞こえません。このような課題を持っているので、私達は口パクで誰でも話せる方法に着目しました。
音声が良く聞こえなかったので改めて聞きたいのですが。 こちらの映像をご覧ください!

質問 Wearboからの回答
Wearbo篠田さん、すごいですね!最終的にシールや袖になるのはとてもいいですね。キーの模様がありますが、最終的には透明になったりすると服を邪魔しなくてよくないですか?導電繊維が透明にならないでしょうか?ブラインドでキーボードが打てるように、キーボードの感覚が分かれば、もはやキーが見えなくても大丈夫な気がします。 静電容量でタッチを検知しているので、薄い布を被せることで様々なデザインに対応できます。現在ブラインドで入力ができる新しいパターンを開発中です。
キーボードは、アルファベット入力だけですか。 現在は市場の大きさなどからアルファベット入力のみにしぼって精度を高められるよう開発しています。将来的には日本語にも対応したいと考えています。
既存のスマートウォッチでもBluetoothで接続可能なのでしょうか? Android搭載のスマートウォッチでの入力は動作確認済みです。
日常ウェアというよりも、スポーツウェアなどより相性が良いのではないかと感じました。アウトドアスポーツ、ジムトレーニングなどスポーツテック分野での活用も十分にありそうだなという期待感を持ちました。 こちらとしてもスポーツウェアとの相性が良いと考えています。スポーツウェアに組み込んでランニングなどにおいてスマートフォンを持ち出さずにスマートウォッチで入力することなどが考えられます。
注意の分散による事故等のリスクをいかにメネジメントしますか? ARグラスとズボンの太ももあたりで入力ができれば、入力中も視線は常に進行方向となるのでスマートフォンに比べて注意の分散は少ないと考えられます。
ウェアブルデバイスを病衣に組み込めば、病院や介護施設での認知症患者さんの徘徊などを管理出来ますね。 ご提案ありがとうございます。ぜひ参考にさせていただき調査を進めたいと思います。
ウェアブルキーパットは点字のがあれば視覚障害者が利用出来ますね。 ご提案ありがとうございます。ぜひ参考にさせていただき調査を進めたいと思います。

質問 Genkanの回答
原価計算はメーカーでなく、サービス業にも適応可能でしょうか? サービス業への適応は現在検討中です。
Genkanを製薬工場に導入した事例はありますか。 薬品工場への導入事例はあります。液充填、検査、ラベリング、梱包工程などの計測を行いました。

質問 Grubinの回答
これを思いついた動機はなんですか?

大学入学以前よりボウフラ等に興味を持っており、入学後にその疑問を先生方にぶつけている中で、ある先生からハエの魅力をご紹介いただいたことが挙げられるかと思います。

ミズアブ以外に同じようなことをできるものはないのですか?また、魚・野菜を経ずそのまま人間が食べられるようになったりしませんかね? ミズアブ以外にも生ゴミの飼料化に資する生物は多く存在し、以下の質問でもご回答するものにはなりますが、イエバエやニクバエなど他のハエの一種やミルワーム等、ハエ以外の種においても同様の効果が確認されています。
また、ミズアブ幼虫の食品化についてはご指摘の通り、現在世界的にも検討が進んでいるところであり、食品化を目的としたプロダクトなども過去にいくつか開発されたことを把握しております。具体的にはオーストラリアの研究機関が発表したソーセージや、南アフリカのスタートアップが開発したアイスクリームなどです。現在の食用昆虫の主流はコオロギやミルワームなどですが、今後ミズアブにもより注目が集まってくるものと期待しています。
今後、発展途上国での国際協力分野へ進出は予定していますか。途上国で活動する援助機関やNGO等との協業予定はありますか。 ミズアブの真の価値が発揮される場所は発展途上国であると個人的には考えております。これは、エネルギーを使わず、手間いらず、オンサイト処理ができるばかりか、残渣分解後の幼虫の飼料化により経済的なメリットも与えることができるという特徴が、生ゴミ処理のインフラが整わず回収機構がない中で、家庭ごとに生ゴミを処理し、成長したミズアブ幼虫で家庭で飼育している鶏等を飼育、それを市場で販売することで現金収入を得る、などのシステムによってダンプサイトへの生ゴミ集積を防ぎ、現金収入の道を作ることを可能にしうるからです。
実際、我々の活動はカンボジアのプノンペンで始まり、最近ではソロモン諸島などにおいても講習等を行いました。今後もミズアブの力が途上国に広がっていくことを願っています。
農業をしてますが、野菜畑や果樹園などで貴社製品を導入する場合は、どのような使用方法になりますか。商品である野菜や果樹に被害があると困るのですが、そのような心配はないのでしょうか。 我々もこれまで、農家様からご相談を受けたことがあり、その際には搾汁後の果実残渣処理などにお困りのようでした。これらの残渣について、ミズアブで処理をする場合、特に春から秋にかけての暖かい時期では野外において木箱等をご用意頂きミズアブ幼虫と残渣を投入して頂ければいいかと思います。
野菜や果樹に対する被害について、正直なところ確固たるご回答はしかねる部分はございますが、ミズアブ自体は外来種ではあるもののすでに日本国内ほぼ全域に固着しているもので、現時点でも十分数生息しているものになります。考えうる被害としては、成虫による果樹等からの水分摂取などがありますが、非常に高密度で成虫が集まった場合にのみ顕著な効果が現れるのみで、畑や果樹園のそばで幼虫による分解を行う程度ではさほどの悪影響はないのではないかと考えています。(あくまで個人的な意見ですが。)
宮崎県の株式会社ムスカではイエバエの幼虫を使ったリサイクル、飼料を手掛けておられますが、イエバエとミズアブとの比較でメリット、デメリットは何でしょうか? MUSCA様は選別交配によって改良したイエバエを使われていることもあり、卵から成虫までの期間が1週間ほどと非常に短いことが特徴的です。これはミズアブが同期間に45日ほどを有することを鑑みると大きなメリットです。加えて、イエバエ飼料を用いた魚類養殖においては、魚類の免疫力向上などの効果も見られており、注目すべき特徴であると考えています。
一方、ミズアブに関しては、そもそも分解対象とする残渣がイエバエと異なっており、イエバエが基本的に家畜の糞尿などを対象とするのに対し、ミズアブについては食品残渣や糞尿など幅広い処理が可能であると考えております。加えて、海外における事例の数においてはミズアブは際立っており、カナダやオランダ、南アフリカなど諸国において大規模工場が建設され、飼料販売に向けた流れが確立されつつあります。ただ、ニクバエなど他のハエを用いた方法なども提案されているところであり、全般としてこれからの研究に期待がかかるという段階であるとも言えるかもしれません。

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