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イベントレポート

「LINK-J & UC San Diego Joint Webinar Series #7 "培養組織に対する物理刺激による機能化" Session 3 バイオマテリアル/ナノマテリアル」を開催(5/21)

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2021年5月21日(金)、オンラインにて「LINK-J & UC San Diego Joint Webinar Series #7 "培養組織に対する物理刺激による機能化" Session 3 バイオマテリアル/ナノマテリアル」を開催いたしました(主催:LINK-J、共催:UC San Diego)。

LINK-J & UC San Diegoジョイントウェビナーシリーズの第7回目として、大阪大学国際医工情報センター(MEIセンター)と協力し、UC San DiegoのKaren L. Christman先生と大阪大学の境慎司先生をお招きし「バイオマテリアル/ナノマテリアル」に関する最新の研究成果を発表いただきました。
また、Andrew McCulloch先生(Distinguished Professor of Bioengineering and Medicine; Director, Institute of Engineering in Medicine, UC San Diego)と紀ノ岡正博先生(大阪大学国際医工情報センター 副センター長/大阪大学大学院工学研究科 生物工学専攻 生物プロセスシステム工学領域 教授)がモデレーターとなり、ディスカッションを行いました。

UC San Diegoと大阪大学は、教育と研究の分野で長きにわたり協力関係を築いてきましたが、近年では、バイオエンジニアリング、バイオインフォマティクス、組織工学、再生医療など、連携分野の拡大に努めています。

本ウェビナーの録画は下記よりご視聴いただけます。
なお、一部公開されていない講演がございますこと、一定期間経過後に非公開に変更させていただく可能性がございますことを予めご了承ください。
https://www.youtube.com/c/LINKJ
ぜひYouTubeチャンネルへのご登録もお願いいたします。

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冒頭、曽山明彦(LINK-J常務理事)、和賀三和子氏(UC San Diego国際アウトリーチディレクター)、Andrew McCulloch先生、紀ノ岡正博先生より挨拶いたしました。

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"Injectable Biomaterials for Translational Regenerative Engineering & Drug Delivery"
Dr. Karen L. Christman (Professor of Bioengineering & Associate Dean for Faculty, Jacobs School of Engineering, UC San Diego)

Christman先生の研究室では、一般的なアプローチと異なり、工学的なアプローチにより再生工学や再生医療といったテーマに取り組んでいます。
今回は、組織修復や薬物送達に大きな役割を果たすバイオマテリアルの活用についてご紹介いただきました。具体例として、心筋梗塞の治療に使われる低侵襲な注射剤などの例を挙げて説明されました。これらは従来とは異なる治療アプローチであり、第Ⅰ相試験が完了し、現在次の試験が検討されています。リスクの高い心臓において良好な結果を得られたことにより、同様のバイオマテリアルの他臓器への応用可能性にも期待が高まります。
最後に改めて技術の特徴について説明され、講演を締めくくられました。
- 直接的な注入もしくはカテーテルを用いた注入により細胞外マトリックスハイドロゲルを組織に送達可能
- 血管内に注入可能な新たな細胞外マトリックスも存在する(組織を内側から治療するようなイメージ)
- ナノ粒子技術により心臓にターゲットを絞った薬剤の静脈内投与が可能

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"Tissue engineering based on enzymatic crosslinking and degradation"
境 慎司 先生(大阪大学大学院基礎工学研究科 化学工学領域 教授)

哺乳類にとって温和な条件で機能する酵素は、組織工学において魅力的なツールであり、基質特異性と温和な反応条件により、悪影響を及ぼすことなく細胞周辺の環境を制作・修正することが可能です。
境先生の研究室では、酵素による架橋でゲル化し酵素で分解可能なハイドロゲルの開発と、そのハイドロゲルの組織工学への応用が主に行われており、特に、ハイドロゲル化に西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼを使用することや、天然ポリマーの使用に注目されていることなどを紹介されました。また、酵素によるハイドロゲル化に適した3Dバイオプリンティング技術の開発や、加えて、生体適合性ポリマーを用いたゲノム編集技術の開発も行われており、これら最新の研究について説明いただきました。

講演の詳細はアーカイブをご覧ください。

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講演の後には活発なパネルディスカッションが行われました。
今後もUC San Diegoとの共催ウェビナーを継続的に開催する予定です。
皆様ぜひご参加ください。

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